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第1章

7.対峙

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「スタッフに闘技場まで案内させる。先に行って待っていてくれ」


そうマティアスに言われ、キサギ達はやって来たスタッフに連れられて彼の執務室を後にした。


静かに扉が閉められた瞬間、マティアスは重い溜息をひとつつき、椅子の背に勢いよく体を預ける。


「それでグエン。さっき言っていたのは本当か?」


椅子にもたれたまま彼へ投げたその問いは、先程彼女の魔力を見て戻って来た際に、何やらコソコソ話していた時のものだった。


初めは苦笑いしながら、自分はS級なのに格好悪い…だの、バツが悪そうに手が痺れるだの軽口を叩いていたのだが、ふと唐突に耳元で、マティアスにしか聞こえないくらいの声で、こう伝えてきたのだ。


『おそらく彼女、どこかの貴族の令嬢じゃないですかね?』


思わず思考が止まり固まってしまった自分に、グエンが本来の目的に戻る為「また後で話します」と区切ったので頷いたのだったが……


「マティアスさん、俺、"おそらく"って言いましたよ?」


眉尻を下げ困ったように笑う彼の姿は、「ここに女達がいようものなら、黄色い声をあげて喧しくなることこの上ないだろうな」などとマティアスが思ってしまうほどの色気だった。


「茶化すな。で、なんでそう思った?」


事の発端は、仲間からグエンの持つタグに「変わった新人が来ていてるから見にこないか?」と連絡があった事からだった。


曰く、1番若いのにリーダー格の少女がえらく美人で仲間達もやたら美形揃い。


しかも全員所作に無駄がなく美しい。


「まるでどこかのお姫様と、それを守る騎士のようだ」と。


なのに「圧倒的な存在感をわざと消している風に見える」と。


そして「1階で面白い事が起こってるぞ」と。


マティアスと会談中だったグエンは、流れてきたその情報を彼に伝えた。


と、ちょうどマティアスにも同様の連絡が受付スタッフのリーダーから入り、騒ぎになりそうなので一度見に来て貰えないか?という事だったので、彼自身が様子を見に行ってくれたのだった。


しばらくして、1階の様子を見たマティアスからの伝言を受けたギルドスタッフが、1人執務室で待つグエンのタグに連絡を入れてきた。


「ギルド長からの伝言で、胸を借りたいとの事です」


模擬戦の依頼を伝えられS級が新人に?と思いつつも、信頼する彼からの依頼という事もあり快諾した。


仲間達へは同様にスタッフから伝えられており、先に闘技場で待つとの事だった。


そしてその後、部屋に案内され最初に入ってきた彼女を見て、思わず良い歳をして見惚れてしまった。


挨拶を交わした時に目が合うと、あどけない少女のようでありながら、しとやかな淑女のような雰囲気と無駄のない所作に目が奪われた。


だが横に控えていた彼女の仲間達に押し潰されそうな圧の乗った視線を向けられて、内心慌ててしまったのを思い出し、軽く遠い目をしてしまう。


なるほど、仲間が言っていた「お姫様とそれを守る騎士達」とは言い得て妙だと得心したものだった。


「あの時彼女、片手出してって言ったら左手をすぐ出したんですよ」


「左手?あぁ、そういえばそうだったか……」


マティアスは1階に降りて彼女を最初に見た際、綺麗な大人っぽい娘だな、という誰もが抱く印象しか持たなかった。


言われて見れば確かにあの時、左手を綺麗な所作で差し出していたが、彼からしたら上流階級の事など知る由もないため、だからどうした?といったぐらいのものだった。


「街のどこにでもいる普通の女の子にさっきみたいに手を差し伸べると、ほぼ右手を出してくるんですよ。たまに左手が利き手の子もいるんですけど、少ないですね。冒険者の女の子達に同じようにやった時も、ほぼ右でしたね」


「コイツ、マジで何してんだ?」と内心で呆れながらマティアスは片眉をあげながらジト目で優男を見やる。


その視線を受けても、彼は気にも留める事なくクスリと笑った。


「女の子はね、皆、お姫様に憧れるものなんですよ」


どうやら仲良くなった女の子達とのじゃれ合うようなこのおふざけが、なかなか評判なんだとか。


「まぁ、男前で、S級冒険者となれば、そりゃあ喜ばれそうだ」


冗談の飛ばし合いに空気が和んだところで、グエンの雰囲気が変わった。


「でも王侯貴族は違う」


先程の軟派な優男の雰囲気をひそめ、彼はスッと目を細めて真剣な顔になる。


「上流階級の女性は絶対に左手を出すんですよ。左は心臓があり、相手に弱点を晒しその身を託すという意思表示……とか何とかだったかな?そんな所以から派生して、貞淑さを表すものとして社交界では淑女のマナーとなって定着していったんだと、まだS級になりたての頃、マナーを知らない自分に仕事で知り合ったご婦人が教えてくれたんですよ」


S級冒険者ともなれば国や貴族からの依頼も多く交流も増えるため、必然とある程度のマナーも必要になる。


しかも彼の容姿は良い為、貴族の女性達にも人気だ。


粗野な冒険者では簡単に敬遠されてしまい評価が下がる為、彼は何が必要かを教わり、観察し、知識を身につけていった。


「彼女は慣れた手つきで左手を出した…あまりの綺麗な所作と雰囲気に、彼女からは冒険者というより、俺が出会った貴族の女性達と同じ気品を感じた……っていうのが理由ですね」


「よくまぁ、それで気づいたもんだな」


呆れを含ませた声でマティアスはそういうと、軽い溜息をつく。


「まぁ、あれだけの容姿だ。どこかの没落した貴族の娘かもしれんな。となると他のメンバーは従者や騎士といったところか?…まぁいずれにせよ冒険者なんてものは、裏に何かしらの事情を抱える者達がほとんどだ。彼女に限ったわけではない」


「……いや、それがなんとなく……違うと思うんですけど、なんとなく見覚えがある気がして……」


「見覚え?……なんだそれは」


コンコン。


話が気になるところで執務室の扉を叩く音がした。


1人のスタッフが顔を出し「皆さま地下にお揃いです」と声をかけて扉を閉めた。


「まぁこの話はここまでだ。今からお前にも模擬戦に参加して貰うんだ。S級の胸を、彼らにしっかり貸してやってくれよ」


席から立ち上がり通りざま彼の肩をポンっと軽く叩き、彼らは地下の闘技場へと向かう為部屋を出た。


ところ変わって…


ギルドの地下には体を鍛えるジムと、そこに隣接して闘技場がある。


冒険者達が鍛錬をしたり、別パーティと試合形式の演習をしたり、昇級選定を行えるようなかなかの広さを誇っている。


キサギらはスタッフに連れられ、地下へと案内される。


ジムの前を通り過ぎる際、中で数名の冒険者達が鍛錬をしているのが目に入る。


施設は充実しているようで、体を鍛えるための色々な器具が並んでおり、部屋の窓からは闘技場が見える仕様になっていた。


しばらく歩くと闘技場に到着し、案内してくれたスタッフに礼を言い別れた。


中を見ると闘技場の中央あたりには4人の冒険者が既に待機しており、何やら談笑しながら余裕の雰囲気で佇んでいる。


しばらくすると、別の入り口からマティアスとグエンが揃って現れた。


「揃ったな。では新人達は今から彼らと模擬戦をして貰う。彼らはこの国唯一のS級冒険者パーティ"天狼"だ。胸を借りるつもりで思い切り自分の力を奮うといい。皆、突然の申し出に応じてくれてありがとう。期待の新人だ。よろしく頼む」


マティアスがそれぞれに声をかける。


天狼はグエンがリーダーの5人パーティで、この国で唯一の、そしてこの世界にたった10組しかいない数少ないS級冒険者パーティの内の1組だ。


この世界において現在冒険者は約3万人弱が所属し各国で活動しており、その中でもS級冒険者はわずか35人程度の相当少ない割合だった。


メンバー全員がS級というパーティは現在世界に2組しかおらず、それは他国のギルドに所属しているが、天狼はグエンを含め3人がS級、他2人はA級という高位ランカーが揃ったチームだ。


S級ともなると、個人は選定試験があるが、パーティにおいては特に選定はない。


パーティのランクは、パーティ人数に対して半数以上の高位ランカーが在籍していれば、1番高いランクを持つメンバーの位置に付随する仕組みになっている。


ちなみに4人パーティで2人がS級では認められない。


あくまで半数以上が必須理由な為、なかなかパーティでS級はいないのだ。


ギルドの規定ではパーティは3人以上からとされている。


因みに2人組はデュオと呼ばれ、パーティと違って特に登録の必要はなく、こちらは団体認識から外れ、あくまで個人としてのカウントになっている。


天狼のメンバー構成は、S級で剣聖のグエン、同じくS級で上級魔術師の女性ラミラ、A級で付与術師の男性ベリル、S級で暗殺剣士の男性ハルト、A級で召喚術師の女性リア、となっており、バランスの取れた良いパーティだ。


軽い挨拶を交わし、天狼のメンバーは余裕の表情で闘技場中央で待機している。


「天狼からは付与術師のベリルが私と共に審判に立つ。良いな?まぁ1対1戦でも良いんだが、パーティを組むならまずは協力戦の実力を見てみたい。手っ取り早くチーム戦で行こう。今から5分間の作戦時間を与えるので、時間が来たらこちらから声を掛け……」


「私達は必要ないですよ。すぐにいけます」


マティアスの説明にキサギが声を被せた。


マティアスと天狼のメンバーが思い切り目を見開き、戦闘態勢でもないキサギへと全員の視線が集まる。


「え?何言ってるの?貴女、頭、大丈夫?……私達相手に武器も持たずに、よっぽど無謀なのかしら?」


頬をひくつかせながら、天狼メンバーの1人である上級魔術師のラミラがキサギを睨め付ける。


「あー。まぁ武器はちゃんとありますけど、まぁ、別にどっちでも良かったんですよねぇ……」


キサギはお構いなしにヘラリと笑い、あちら側にとっての爆弾を落とす。


「どっちでも良いですって?!」


ラミラの心は簡単に着火し、その短い導火線の爆弾はすぐさま爆発した。


S級に胸を借りる立場である筈のこの無礼な新人の態度に、ラミラは苛立ちを隠そうともしない。


「はい。ですが折角のお申し出なので、用意しますから、お待ち頂けますか?」


丁寧な言葉じりだが、暗に「こちらは必要ないのに、そちらがそう言うなら乗ってあげますよ」と揶揄していると受け取ったラミラは元々低い怒りの沸点を更に下げ、もはや火のついた闘牛のようだ。


S級は英雄と同義だ。


そんな彼らを前にして無謀とも非常識ともとれる彼女の態度に、雲行きの怪しい空気が天狼メンバー達を包む。


「んじゃ、失礼して…」


と、キサギは先程の軽い笑顔から一転して真剣な面持ちへと変える。


瞬時に纏う気配が変わり、闘技場には緊張の空気が張り詰めた。


(なんだ?気配が一気に変わった?)


離れて見ているマティアスがその様子に訝しみ、新人達の挙動を見守る。


キサギはそんな周りの空気はお構いなしに右手を己の前にかざし、口を開く。


「おいで、"八咫烏"」


キサギの鈴を転がすような透明感のある美しい声が、まるで魔力を帯びこだまするように闘技場内に響く。


刹那、彼女の右手に高濃度の魔力が練り出され、大量の漆黒の羽の渦が舞い踊る。


渦がゆったりと陽炎のように揺らぎ、しばらくすると刀身も束も柄も漆黒の長刀が浮かび上がり、しっかりとその姿をここにいる全て者達の前に顕現した。


柄をその美しくしなやかな右手で握り、左手でなぞるように愛でるキサギの姿は、まるで人間離れした色香を放つ戦女神のような荘厳な雰囲気を纏わせていた。


マティアスをはじめとした天狼メンバーは思わず目を奪われ、息を呑む。


「来たれ、"白沢"」とビャクランが。
「踊れ、俺の" 紅天女"」とシュリが。
「降りろ、"蒼翔天"」とソウエイが。


キサギ同様に他の3人も己の愛刀を呼び出す。


白沢は、美麗な輝きを帯びる白銀の双刀。


紅天女は、シュリの身長を悠に超えた朱に染まる太い頭身の大刀。


蒼翔天は、まるで死神が持つそれに似た蒼みを帯びた大鎌。


それぞれがまるで神の化身のような神々しさの出立ちで武器を持つ姿に、対する彼らはもはや声を出す事も出来ない。


(何だ…何を見ているんだ俺達は…)


天狼メンバーの1人であり自身もS級冒険者である暗殺剣士ハルトは、見た事もない光景を目の当たりにし、自然と震える己の体に驚きを隠せない。


新人に、S級冒険者パーティとして胸を貸すだけ。


ただそれだけだったはずなのに。


だがキサギ達から溢れて出る魔力の奔流は彼らを呑み込み、立場を逆転させているといっても過言ではなくなっている。


(胸を貸す?……いや、これはもう……本気で行かないと……!)


グエンの額から一筋の嫌な汗が流れ、先程までの余裕を掻き消した。


「お待たせしました。それでは天狼の皆さま、胸をお借りしますね」


キサギは切長の目を更に細め首をコテンとかしげ優しく微笑むと、彼らに向かってそう言い放つ。


その美しい微笑みは女神の様な神々しさを放ちつつも、まるでご馳走を前にした悪魔の微笑みのようだと、彼らを心の底から怯えさせる程に。


天狼メンバー全員が思わず恐怖にも似た感情にビクリと体を震わせ、無意識に警戒し武器を構え戦闘態勢をとる。


対してキサギ達は構える事なく、各々愛刀を携え"獲物"を見据えたまま、ただ立っているだけだった。


「……それでは……はじめ!!」


試合開始を告げるマティアスのテノールの声が、闘技場に響き渡った。
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