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15話 その後…… その1
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「ラインハルト様……私達はデートをしていますよね?」
「はい。そうだと思いますが、如何なさいましたか?」
クローヴィスとの一件からしばらくの時間が経過した。私とラインハルト様の二人はあれからも親交を深め、本日も遊戯施設でデートをしている。私よりもはるかに忙しいラインハルトが、わざわざ時間を作ってくれたわけだし、本日は楽しみたいところではあったけれど……。
「どうして、遊戯施設に貴族令嬢が増えているのでしょうか……?」
「そ、それは……ど、どうしてでしょうね……はははっ」
「笑って誤魔化さないでください」
私は表情こそ穏やかだけれど、心の中は嫉妬心が渦巻いていた。ラインハルト様も笑って誤魔化そうとしているし……まったくもう。
「ラインハルト様? なぜ、この遊戯施設に女性の貴族が増え始めたのか、端的にお答えいただけますか?」
「お、おそらくは……私とレレイ嬢が過ごしていることが多いという噂が流れた為だと思いますが……」
「なるほど、ではラインハルト様目当ての女性が来ている、ということですね?」
「い、いや……確かにそうかもしれませんが……」
ラインハルト様をからかうのが、最近の楽しみの1つになっていた。彼とビリヤードやダーツをするだけでも十分に面白いけれど、こうして恋愛話に話を持っていくのも楽しい。彼との絆を実感できるしね。
「私が浮気をする人間だと思っておられますか? 私はレレイ嬢一筋でございますよ? 周囲からの好意は確かに嬉しいですが、それに流されてしまう精神強度ではありません」
精神強度……なかなか面白い言い回しを聞いた気がする。
「そうでしたね、申し訳ありません。ラインハルト様のことは信じておりますので……許していただけますか?」
「そもそも、怒ってなどいませんが。しかし……私のことを言うならば、レレイ嬢が目当ての男性陣も遊戯施設を利用しているようですが?」
「えっ……?」
ラインハルト様から意外な言葉が返ってきた。遊戯施設は元々、男性が多いのでわかりにくいけれど……そうなの?
「以前に開かれた舞踏会で、レレイ嬢に話しかけていた人物が来ているようですしね」
まさか……私自身は分かっていないけれど、ラインハルト様がそう言うのなら正しいのだろう。でも、それって……。
「ふふ、レレイ嬢も魅力的な女性であることが証明されていますね。少し妬いてしまいそうですよ」
「そ、そんな……! 私はラインハルト様以外、見てないですので……!」
「なるほど、それは非常に嬉しいですね。ありがとうございます」
「あう……」
ラインハルト様に逆襲された気分だった……とても恥ずかしい言葉を言ってしまった気がする。まあ、デートを繰り返している関係なんだから、いまさらではあるんだけれど。
「話は変わりますが、レレイ嬢」
「はい、なんですか? ラインハルト様……?」
「クローヴィス殿は今現在、どうしているのでしょうか? 他人の詮索をすることはあまり褒められたものではないですが……レレイ嬢にご迷惑をお掛けしていないかと、心配しておりまして」
「クローヴィスですか……そうですね……」
今のところ、あれから迷惑を掛けられたことはない。アルカとは上手くいっているのかしら? 別れたという噂も聞かないけれど。
「はい。そうだと思いますが、如何なさいましたか?」
クローヴィスとの一件からしばらくの時間が経過した。私とラインハルト様の二人はあれからも親交を深め、本日も遊戯施設でデートをしている。私よりもはるかに忙しいラインハルトが、わざわざ時間を作ってくれたわけだし、本日は楽しみたいところではあったけれど……。
「どうして、遊戯施設に貴族令嬢が増えているのでしょうか……?」
「そ、それは……ど、どうしてでしょうね……はははっ」
「笑って誤魔化さないでください」
私は表情こそ穏やかだけれど、心の中は嫉妬心が渦巻いていた。ラインハルト様も笑って誤魔化そうとしているし……まったくもう。
「ラインハルト様? なぜ、この遊戯施設に女性の貴族が増え始めたのか、端的にお答えいただけますか?」
「お、おそらくは……私とレレイ嬢が過ごしていることが多いという噂が流れた為だと思いますが……」
「なるほど、ではラインハルト様目当ての女性が来ている、ということですね?」
「い、いや……確かにそうかもしれませんが……」
ラインハルト様をからかうのが、最近の楽しみの1つになっていた。彼とビリヤードやダーツをするだけでも十分に面白いけれど、こうして恋愛話に話を持っていくのも楽しい。彼との絆を実感できるしね。
「私が浮気をする人間だと思っておられますか? 私はレレイ嬢一筋でございますよ? 周囲からの好意は確かに嬉しいですが、それに流されてしまう精神強度ではありません」
精神強度……なかなか面白い言い回しを聞いた気がする。
「そうでしたね、申し訳ありません。ラインハルト様のことは信じておりますので……許していただけますか?」
「そもそも、怒ってなどいませんが。しかし……私のことを言うならば、レレイ嬢が目当ての男性陣も遊戯施設を利用しているようですが?」
「えっ……?」
ラインハルト様から意外な言葉が返ってきた。遊戯施設は元々、男性が多いのでわかりにくいけれど……そうなの?
「以前に開かれた舞踏会で、レレイ嬢に話しかけていた人物が来ているようですしね」
まさか……私自身は分かっていないけれど、ラインハルト様がそう言うのなら正しいのだろう。でも、それって……。
「ふふ、レレイ嬢も魅力的な女性であることが証明されていますね。少し妬いてしまいそうですよ」
「そ、そんな……! 私はラインハルト様以外、見てないですので……!」
「なるほど、それは非常に嬉しいですね。ありがとうございます」
「あう……」
ラインハルト様に逆襲された気分だった……とても恥ずかしい言葉を言ってしまった気がする。まあ、デートを繰り返している関係なんだから、いまさらではあるんだけれど。
「話は変わりますが、レレイ嬢」
「はい、なんですか? ラインハルト様……?」
「クローヴィス殿は今現在、どうしているのでしょうか? 他人の詮索をすることはあまり褒められたものではないですが……レレイ嬢にご迷惑をお掛けしていないかと、心配しておりまして」
「クローヴィスですか……そうですね……」
今のところ、あれから迷惑を掛けられたことはない。アルカとは上手くいっているのかしら? 別れたという噂も聞かないけれど。
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