聖女だけど追放されました!~街で人々の為に商売始めたんだけど、王国の防衛は大丈夫ですよね?~

ルイス

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18話 助けに向かう その1 【視点混在】

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 私とカインさん、ライズさんはバリアを張った状態で侵入者が破ったと見られる場所から侵入した。暗いから人目にはつかない……うひひひひ。とか笑いだしたら、本気で賊と変わらないわね。


 私は気を引き締めて、内部へと侵入する。カインさんとライズさんが先導する形で、私は二人から遅れないように歩調を合わせていた。


「ミシディア、敵の位置はどの辺りかしら?」

「オボンヌ宮殿の近く……正確には宮殿の入り口の西、50メートル地点です。兵士と思しき人々が倒れています」


「不味いな、敵は想像以上に強敵か!」


 カインさんもライズさんも、私の言った侵入者の位置を把握すると、明らかに雰囲気を変えていた。ここからは、真剣勝負の場になる……私なんかが、太刀打ちできる領域ではない。私ができることは防御と気配察知、回復のみなのだから……。



----------------------------------------



【グレス王子視点】


「グレス王子!」


「どうした、アンネ?」


「不味いです……5人の侵入者、想像以上の手練れの可能性が……!」


 先ほど、兵士の何人かがやられているとう報告を受けている。まあ、想定内ではあるが。


「しかし、精鋭である騎士団の連中が向かっているのだ。すぐに決着はつくはずだ」


 いくら強敵とはいえ、敵はわずか5人だ。精鋭である我が騎士団員が負けるはずはない。役立たずの兵士共とはわけが違うからな。


「5人の侵入者の内の1~2人がオボンヌ宮殿を目指しているようですわ!」


 研ぎ澄まされて来ているのか、アンネもようやくエンジンがかかって来たな。この宮殿を目指しているのは不味いが、残りの騎士団員が周囲を覆っている。全く問題はない……懸念があるとすれば、出入り口にしかバリアを展開出来ていないことか……敵が窓からの侵入が可能としれば、少々てこずる可能性があるな。



「グレス王子殿下!」


「どうした?」


 そんな時、アンネの顔色が変わった。何かあったのか……?



「侵入者が壊したと思われるところから、更なる侵入者の模様です! 人数はもう少し時間を要しますが、数人はいるかと!」


「なんだと……?」


 くそ……! 状況が錯綜して来ているな……新たな侵入者だと? どれを優先すべきか……難しいところだ。


「よし、騎士団員に新たな侵入者も攻撃させよう」


 5人の侵入者に合流されては面倒だ。新しい敵から排除するとするか。
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