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18話 2か月後の私達 その1
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「本当に申し訳ありませんでした、ミゼル様。私達はなにか勘違いをしていたようです……どうぞ、シェリーの再教育のお手伝いをさせていただきたい」
「お、お手伝いですか……? ま、まあ、構いませんが……私もまあ、シェリーには少し無理をさせてしまったかもしれませんし……」
「いえいえ、そのようなことは。むしろ、シェリーには良いクスリになっているでしょう!」
ミゼル・コーンス侯爵とも話をつけ、お父様やお母様もシェリーの再教育の手伝いをするというところで、話は決着した。
「あ、あの……お父様? 私の再教育って一体……どういうことですか? 家に帰らせてくれるんじゃ……?」
シェリーもようやく会話内容から、自分が解放されるわけではないことを悟ってきたようね。まあ、当たり前の話だけれど。コーンス侯爵の妻になる人物が多少のことで弱音を吐いていては成り立たないのだから。しっかりと、お父様やお母様の再教育を受けて、マシになってよねシェリー。
私だって少しは期待している。あれでも私の妹であることに変りはない……本心では嫌いたくないと思っているのだから。だからこそ信じたいと思っている、シェリーの改心というやつを……。
「シェリー? 何も心配することはないわよ? 私達のせいであなたはそうなってしまったのだから……しっかりと再教育してあげるから」
「お、お母様……?」
「心配することはないぞ、シェリー。ただ、朝から晩まで自由がなくなるだけだ……衣食住の心配はないのだから、住む家にすら困っている者達から見ればむしろ、羨ましく思える環境だろう。はははははっ」
「お、お父様……?」
お父様とお母様は危ない目つきになっていた……愛娘に再教育を施す喜びが生まれているのかもしれない。さてさて、どのようになるのかしらね。
それから2カ月ほどが経過した。
私とウィリアムの二人は……婚約を果たしていた。私の部屋でウィリアムといつもの読書時間を満喫しているのだけれど……話題はどうしても、妹のことになってしまう。
「それで……シェリーについては、どうなっているんだ?」
「シェリー? ええとね……」
どこから話せばいいのかしら……まあ、色々とあったのだけれど。ウィリアムも聞きたそうだし、話す方が良いわよね。
「一言で言うなら……人間は簡単には変わらないわね」
それが私の第一印象だった……。
「お、お手伝いですか……? ま、まあ、構いませんが……私もまあ、シェリーには少し無理をさせてしまったかもしれませんし……」
「いえいえ、そのようなことは。むしろ、シェリーには良いクスリになっているでしょう!」
ミゼル・コーンス侯爵とも話をつけ、お父様やお母様もシェリーの再教育の手伝いをするというところで、話は決着した。
「あ、あの……お父様? 私の再教育って一体……どういうことですか? 家に帰らせてくれるんじゃ……?」
シェリーもようやく会話内容から、自分が解放されるわけではないことを悟ってきたようね。まあ、当たり前の話だけれど。コーンス侯爵の妻になる人物が多少のことで弱音を吐いていては成り立たないのだから。しっかりと、お父様やお母様の再教育を受けて、マシになってよねシェリー。
私だって少しは期待している。あれでも私の妹であることに変りはない……本心では嫌いたくないと思っているのだから。だからこそ信じたいと思っている、シェリーの改心というやつを……。
「シェリー? 何も心配することはないわよ? 私達のせいであなたはそうなってしまったのだから……しっかりと再教育してあげるから」
「お、お母様……?」
「心配することはないぞ、シェリー。ただ、朝から晩まで自由がなくなるだけだ……衣食住の心配はないのだから、住む家にすら困っている者達から見ればむしろ、羨ましく思える環境だろう。はははははっ」
「お、お父様……?」
お父様とお母様は危ない目つきになっていた……愛娘に再教育を施す喜びが生まれているのかもしれない。さてさて、どのようになるのかしらね。
それから2カ月ほどが経過した。
私とウィリアムの二人は……婚約を果たしていた。私の部屋でウィリアムといつもの読書時間を満喫しているのだけれど……話題はどうしても、妹のことになってしまう。
「それで……シェリーについては、どうなっているんだ?」
「シェリー? ええとね……」
どこから話せばいいのかしら……まあ、色々とあったのだけれど。ウィリアムも聞きたそうだし、話す方が良いわよね。
「一言で言うなら……人間は簡単には変わらないわね」
それが私の第一印象だった……。
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