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49話 セルガスとのデート その3
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それから、何度かのデートをセルガス様と行った。デートの内容は至ってシンプルだ。食事をしたり服を選んだり、宝石を選んだり、木陰で他愛もない話をしたりと。普通の人々が行っているのとまったく変わりないことをやって、お互いの仲を進展させてきた。
そして……その間にはネプト様との交流はない。
お父様やフォルセが絶対に会うなと、念を押していたからだ。二人には本当にお世話になってしまった。私がネプト様と会いたくなってしまった時でもブレーキを掛けてくれていたから。
「そういえば、ウォーレスとニーナの話なんですが……セルガス様、興味ありますか?」
「おや、なかなか面白そうな切り口ですね。もしかして、処罰についての話ですか?」
私はネプト様とは勿論、ウォーレスやニーナとも会っていなかった。彼らの処遇に関してはネプト様に一任する形になっている。正確には議会……法廷で決まるのだけれど。
「お父様聞いた話にはなります。興味はありますよね?」
「そうですね。他の貴族の罪を楽しむ趣味はありませんが、私の愛するアーチェ嬢を苦しませた相手の罪です。興味がある、というよりは是非、聞いておきたいと思っております」
「わかりました、それではお話させていただきたいと思います」
セルガス様との仲は随分と良くなった。お互いに愛していると言っても、顔が赤くならないくらいには。ここまで仲良くなれば、ウォーレス達の罰を話しても問題ないと思う。どのみち、セルガス様が調べれば分かることなんだし……。
「ええと……ウォーレスとニーナの二人は家から追い出されるようです。一応、遠くで暮らせるだけの生活は保証されるみたいですが。まあ、追放みたいなものですね……」
「なるほど。なかなか、厳しい処罰になるようですね。まあ、知らなかったとはいえ国王陛下を危険に晒したのは許されることではないですが。国によっては死刑になってもおかしくはない」
「はい……今回、色々なことがあったので、かなりネプト様からフォローはあったようです」
私とネプト様、スザンヌ様の関係がウォーレス達との関係に近いことは、お父様やセルガス様から聞かされた。ネプト様はその辺りも考慮されて、二人の罪にセーブをかけたのかもしれない。
どのみち、私はウォーレスやニーナに一生会えない可能性がありそうだけれど……それは今後の私にとって確実にプラスに働きそうだ。いつまでも過去に囚われてはいけないというネプト様からの言葉なのかもしれない。
そして……その間にはネプト様との交流はない。
お父様やフォルセが絶対に会うなと、念を押していたからだ。二人には本当にお世話になってしまった。私がネプト様と会いたくなってしまった時でもブレーキを掛けてくれていたから。
「そういえば、ウォーレスとニーナの話なんですが……セルガス様、興味ありますか?」
「おや、なかなか面白そうな切り口ですね。もしかして、処罰についての話ですか?」
私はネプト様とは勿論、ウォーレスやニーナとも会っていなかった。彼らの処遇に関してはネプト様に一任する形になっている。正確には議会……法廷で決まるのだけれど。
「お父様聞いた話にはなります。興味はありますよね?」
「そうですね。他の貴族の罪を楽しむ趣味はありませんが、私の愛するアーチェ嬢を苦しませた相手の罪です。興味がある、というよりは是非、聞いておきたいと思っております」
「わかりました、それではお話させていただきたいと思います」
セルガス様との仲は随分と良くなった。お互いに愛していると言っても、顔が赤くならないくらいには。ここまで仲良くなれば、ウォーレス達の罰を話しても問題ないと思う。どのみち、セルガス様が調べれば分かることなんだし……。
「ええと……ウォーレスとニーナの二人は家から追い出されるようです。一応、遠くで暮らせるだけの生活は保証されるみたいですが。まあ、追放みたいなものですね……」
「なるほど。なかなか、厳しい処罰になるようですね。まあ、知らなかったとはいえ国王陛下を危険に晒したのは許されることではないですが。国によっては死刑になってもおかしくはない」
「はい……今回、色々なことがあったので、かなりネプト様からフォローはあったようです」
私とネプト様、スザンヌ様の関係がウォーレス達との関係に近いことは、お父様やセルガス様から聞かされた。ネプト様はその辺りも考慮されて、二人の罪にセーブをかけたのかもしれない。
どのみち、私はウォーレスやニーナに一生会えない可能性がありそうだけれど……それは今後の私にとって確実にプラスに働きそうだ。いつまでも過去に囚われてはいけないというネプト様からの言葉なのかもしれない。
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