侯爵様に婚約破棄されたのですが、どうやら私と王太子が幼馴染だったことは知らなかったようですね?

ルイス

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39話 レオーネの話 その1

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 果たして、私の話が逆転の一手になるのか……それは全く分からなかったけれど、私は議長に許可をいただいたので、あの日の出来事を話すことにした。魔法による映像と呼ばれる技法……そういうものに残しておければ、より説得力はあったのだろうけど、あいにく映像による証拠は存在しない。

 となれば、あの時を知る者からの発言が何よりも重視されるのは必然のことだった。


「あのパーティーの日、というよりも私とビクティム侯爵の関係性はそれ以前からありました……そこが起因していたことは明白です」

「ふむ、確かにレオーネ嬢とビクティム・クラウスは元々は婚約をしていた者同士……言い換えれば、愛し合っていたということだな?」

「はい……」


 実際は議長が想像した関係はなかったけれど、話がややこしくなりそうだから私は肯定することにした。


「私とビクティム侯爵は確かに、当時は婚約関係にありました。それは、そちらに居るダンテやフューリ王太子殿下もご存じです」

 そう言いながら、私はダンテ兄さまとフューリに目を向けた。それに釣られるように、議長やビクティム侯爵、エドモンド様もそちらに視線を合わせていた。

 ダンテ兄さまもフューリも笑顔で返してくれ、私に勇気を与えてくれた。


「ふむ……ダンテ殿やフューリ王太子殿下もご存じか。それで、貴殿は何を言いたいのかな?」

「はい。私はビクティム侯爵の非常に身勝手な理由で婚約破棄をされました。こちらについても既に、情報は行き渡っているかと思いますが、理由はメリア王女と婚約したいからというものです」

「それについては、確かに議会でも認知している情報だ」


 議長は中立的な立場を貫く意思を感じさせる反面、私に対して同情的にも見えた。彼の本来の優しさが見え隠れしているのかもしれない。私は不思議と緊張感が消えて行くのを感じた。次の言葉も軽やかに出てくる。


「ビクティム侯爵は一方的に私との婚約を破棄しました。自らの地位の方が上だという慢心がそうさせたのかもしれません。そして、例のパーティーへと繋がることになるのです」

「なるほど、そういうことか……」


 議長を始め、議会を構成するメンバーは私の話に深く頷いているようだった。ここまでは順調に進んでいるようにも見受けられる。特に、フューリ達と事前の打ち合わせがあったわけではないけれど。私はもしかしたら、アドリブが利くのかもしれない。世間で言うところの役者にむいているかしら?


「レオーネ嬢、話の続きをお願いしてもよろしいかな?」

「畏まりました、議長」


 そして、話は本題へと続いていく。先ほどはエドモンド様が議会の中心だったかもしれないけれど、今は私が議会の中心になっている。そう強く実感させられていた。
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