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18話 ルーザについて その3
しおりを挟む「私はブンド様と……婚約解消したい、と思うようになりました」
「ああ、そういうことですか」
まあ、そういう結論に向かうことは想定出来たけれど……私は自然と頷いていた。
「なるほどね。フェリスなら気持ちが分かるんじゃないの」
「そうですね……分かります」
ルーザ嬢を責める気は私にはあまりない。私もブンド様の本性に気付かずに婚約をしてしまったのだし……。ルーザ嬢も日々の彼の言動から嫌な予感を感じていたのではないだろうか。しかも、私との婚約破棄という事実も聞いているのだから。
「最初は私も第二王女殿下がフェリス様だとは知りませんでした。少し調べてそれが分かったのですが。そこで、私はブンド様を試したのです」
「試した……? ブンド様をですか?」
「はい」
ルーザ嬢は事前に調べていたわけね。まあ、普通は調べるでしょうけど、ブンド様は調べなかった……何も分からないまま、罠だとも気付かずにこのパーティーに参加したわけか。
「このパーティー内での態度を見ようとしたんでしょう?」
「そういうことになります。そして……ブンド様の態度は想像以上に酷かった……」
「それで、婚約解消を決定付けたと」
まあ確かに、私やフォルテ兄さまに対する態度は酷かったからね……あれは、ルーザ嬢でなくても婚約解消したくなるだろう。
「そうですね、フィルア王女殿下。私はブンド様への愛情、信頼が一気に落ちた気が致します。私が偉そうに言えることではないのですが……結果的にブンド様を奪ってしまったので……」
ルーザ嬢は非常に落ち込んでいるようだった。まあ、彼女は私とブンド様の関係を引き裂いたことになるから仕方ないのだけれど。それは先ほどの謝罪で一応は許されているはずだ。ここまで落ち込まれると逆に罪悪感が生まれてしまう。
「まあ、いいわ。ルーザ嬢の考えていることは分かった。ほらね? あの会場で話す内容ではなかったでしょう?」
「た、確かにそうですね……姉さま」
フィルア姉さまは普通に予測していたのか、ルーザ嬢の話を聞いても平然としている。特に彼女を責めることもない。やっぱり、フィルア姉さまには勝てないわね……本当に凄いわ。
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