【ポーション製造】のスキルを持っていたけど、パーティ追放された件～薬屋経営することにし、高名な冒険者も来てくれました～

27話 デート！ その5(ボイド視点)

「ちい……甘く見ていたか……エルドという人物を……！」


「ちょっと、ボイドさん……どうして、私までがこんなことに」


「いや、すまねぇな、エミリア……お前さんに罪がないことは、ちゃんとあいつらにも説明しておくからよ」


「いえ……そんな風に素直に言われると弱いんですけど……」


　普通に買い物をしているだけに見えていたエルドとリーシャの二人だが……まさか、俺たちを射程圏内に入れてるとは予想外だったぜ。まあ、エルドの奴は単独で冒険者活動をしているので有名だ。

　俺たち程度の尾行を感じ取れなくちゃ、野生の魔物の奇襲には対抗できないってわけかもな。


　しかしそれでも……悔しいものだぜ、くそう。俺だってそれなりに鍛えている自信はあったのにな。なんでこんなことをしているのかって話をしているのかと言うとだな、なんでこんなことが分かるかと言うとだな、既に目が合っているからだ。

　エルドの奴は怒っている様子はないが、自然体で思いっきり目が合っている。


「信じられないが、この距離でもバレていたんだな……」

「エルドさんって信じられないくらい、気配察知できるんですね……凄い……」



　それから、エルドは俺のところへ近づいて来たのだった……。おいおい、ちょっと怖いぞ……。




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「ボイド殿と……そちらはエミリア殿、ですね？」


「あ、ああ……間違いない」


　気配察知で気付かれ、俺たちの身元を確認される。エルド自身も俺たちが怪しい人物ではないことは、気配察知の段階でわかっていただろうが、念の為にってところだろうな。


「ボイドさん……尾行していたの？　全然、気付かなかった……」

「私もいるけどね」


「エミリアも、居たんだ」


　心配してデートの様子を見に来たわけだが、すぐにバレてしまうなんてな……しかしまあ、これはエルドの評価に繋がるってところだな。危険察知で尾行していた俺たちを見つけ出し、こうして来ているわけだからな。