【ポーション製造】のスキルを持っていたけど、パーティ追放された件~薬屋経営することにし、高名な冒険者も来てくれました~

ルイス

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26話 デート! その4

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 エルドとのデートはとても楽しかった。別に手を繋いだり、キスとかをするわけでもないけれど、ウィンドウショッピングをしているだけでも十分というか……。


「この、ワンピースなんて似合うんじゃないか?」

「そうね、ありがとうエルド。これを買うことにするわ」


「待ってくれ、そのくらいなら私が……」


「やめてよ、エルド。私だってちゃんとした稼ぎはあるんだし」

「それはわかっているが……」


 男の人に奢ってもらう女の子という立ち位置も嫌いではないけれど、それに甘えたいとは考えていない。すべてをエルドに奢ってもらうのは失礼だし、服くらいは自分で出さないとね。値札を見るとかなり高額なワンピースだった……。


「こういうのは、男に奢らせてもらえないかな? はははっ」

「もう……エルドってば」


 う~ん、エルドからはそこはかとない大人の余裕を感じる。デートが慣れているというよりは、相手への気配りが慣れているのかしら? 


 いえ、多分どちらでもないわね。


「なんだか、エルドの余裕な表情が分かっちゃった」

「ん? そうかい?」

「うん、間違ってたら恥ずかしいけど……」


 おそらく彼は何も考えていない。いえ、何も考えていないというのは失礼かな。気配りなどはしてくれてると思うけど……いつでも自然体なんだと思う。細かく、この行動で自分は嫌われないか? とか、自分は好かれているか? というのを考えていないんだと思う。


 百戦錬磨の経験をしている人の余裕って感じかしら? 今にして思うと、カシムも近しい才能はあったんだろうけど、もう少し、周囲の気配りをしてほしかったかな。まあ、今は彼への恨みも晴れてはいるけれど。


「カシムのことを考えていたかな?」

「えっ……?」


 余裕な態度のエルドだったけれど、なんだか意外な発言……。えっ? どういうことかしら?


「あ、いえ……そんなことは……」

「実は、私は結構、ヤキモチ妬きなんだ」

「そ、そうなの……?」


「うん」


 平然と言ってのけるエルド。本当に恥ずかしげもなく、自然体だった。なんだか……私も含めて、格の違いを見せつけられてる気がする。少しだけ悔しい……エルドの隣を歩きたいと思っているから。


「まあ、それはいいとして……付けられてるね」

「えっ? どういうこと……?」


 どういう意味かしら? 私はこの時、まだエルドのことが分かっていなかった。彼は私が想定しているより、はるかに凄い人間なのだということを……。
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