【ポーション製造】のスキルを持っていたけど、パーティ追放された件~薬屋経営することにし、高名な冒険者も来てくれました~

ルイス

文字の大きさ
上 下
24 / 27

24話 デート! その2

しおりを挟む
 私はボイドさんに触発されて、エルドとのデートを決行することにした。彼の予定もあるので、必ず成功するものではなかったけれど。


「デートか……」

「う、うん……まあ、デートっていうと、照れ臭いんだけどさ。ほら、この前の食事は色々あったし、今度はゆっくりデートでもどうかな~って」


「そうだな、リーシャがそう言ってくれるとは思わなかったが、私でよければ」


「やった! じゃあ、決まりね!」


「ああ、よろしくリーシャ」


 と、こんな風に簡単にデートが決まってしまった。もっとこう……ドキドキした感じで誘った方が良かったのかな? でも、あんまりドキドキした乙女的なのって、私の性格には合わないしこれでいっか!


 さてさて、エルドとのデート……ふふふ、楽しみだわ。今度はアキサエルのメンバーとかに邪魔されないように気を付けないと。




----------------------------------------------------------------




 私とエルドは郊外にある森林地帯で待ち合わせをした。森林地帯とは言っても、街の人々が散歩などが出来るように整備はされている。所々にトイレやベンチなんかも設置されているし。


「リーシャ……それは君の普段着、なのかな?」

「え、そうだけど……変かしら?」


 私は既にエルドと合流している。そんなエルドだけど、私の姿を見て、ばつの悪そうな様子だった。私は普段の冒険にいくような格好ではなく、脚がほとんど出るタイプのショートパンツを穿いているけれど。


「いや、変じゃないよ。なかなか、可愛いしスタイルの良さも際立っていて良いと思う」

「そうかしら? ありがとう、エルド」

「ああ……」


 ちょっと恥ずかしいけれど、ショートパンツを穿いてきて正解だったわ。エルドに褒められると嬉しいし、えへへ。


「ただし……」

「ただし?」


 褒めてくれたエルドだけど、まだ何かを言おうとしていた。非常に小声でよく聞き取れない。


「カシムに告白されたというのは、伊達ではないということか……う~む……」

「カシムがどうかしたの? もしかして近くに居たりする……?」


 エルドはもしかして、獣のような気配察知でカシムの存在を感知したのかもしれない。私は警戒して、辺りを見渡した。でも、カシムの姿はどこにもないけど……。


「ああ、大丈夫だよ。カシムが近くに居るとかそういった話じゃないさ。さあ、時間を無駄に使うのもなんだし、行こうか」

「そ、そうね。行きましょう、エルド」

「ああ」


 こうして私とエルドのデートは始まった。始まったのはいいんだけれど……私はこの時、木陰に隠れているボイドさんとエミリアの存在に気付いていなかった……。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

貴族令嬢ですがいじめっ子たちが王子様からの溺愛を受けたことが無いのは驚きでした!

朱之ユク
恋愛
 貴族令嬢スカーレットはクラスメイトのイジメっ子たちから目をつけられていた。  理由はその美しい容姿だった。道行く人すべてがスカーレットに振り返るほどの美貌を持ち、多くの人間が彼女に一目ぼれする容姿を持っていた。  だから、彼女はイジメにあっていたのだ。  しかし、スカーレットは知ってしまう。  クラスメイトのイジメっ子はこの国の王子様に溺愛を受けたことが無いのだ。  スカーレットからすれば当たり前の光景。婚約者に愛されるなど当然のことだった。  だから、スカーレットは可哀そうな彼女たちを許すことにしました。だって、あまりにみじめなんだから。

守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!

蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。 しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。 だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。 国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。 一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。 ※カクヨムさまにも投稿しています

これでも全属性持ちのチートですが、兄弟からお前など不要だと言われたので冒険者になります。

りまり
恋愛
私の名前はエルムと言います。 伯爵家の長女なのですが……家はかなり落ちぶれています。 それを私が持ち直すのに頑張り、贅沢できるまでになったのに私はいらないから出て行けと言われたので出ていきます。 でも知りませんよ。 私がいるからこの贅沢ができるんですからね!!!!!!

婚約者の不倫相手は妹で?

岡暁舟
恋愛
 公爵令嬢マリーの婚約者は第一王子のエルヴィンであった。しかし、エルヴィンが本当に愛していたのはマリーの妹であるアンナで…。一方、マリーは幼馴染のアランと親しくなり…。

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

お妃様に魔力を奪われ城から追い出された魔法使いですが…愚か者達と縁が切れて幸せです。

coco
恋愛
妃に逆恨みされ、魔力を奪われ城から追い出された魔法使いの私。 でも…それによって愚か者達と縁が切れ、私は清々してます─!

処理中です...