【ポーション製造】のスキルを持っていたけど、パーティ追放された件~薬屋経営することにし、高名な冒険者も来てくれました~

ルイス

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21話 パートナー その1

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「あんたら、いい加減にしてよ!!」


 隣の言い争いに我慢できず、私はとうとう立ち上がり叫んでしまった。流石のカシムたちも私がここに居たことは想定外だったのか、表情を固まらせていた……。エルドもやれやれ、といった表情を見せて、私と一緒に立ち上がってくれる。


 なんだか、そのしぐさがとても心強く、嬉しかった。


「リーシャ……お前、こんなところで何を……!?」


 カシムが問いかけて来たけれど、見てわからないかしら? パスタ屋さんに来ているんだから、食事に決まってるでしょ? あんた達のように、ここは喧嘩する場所じゃないの。

「見てわかるでしょ? 食事よ、食事」

「エルド・マーカスも一緒か……!」


 カシムはエルドの顔を見て、大きく舌打ちしていた。以前にも言い争いになっていて、劣勢だったから、余計に腹立たしいって感じかしら? 


「さっきから聞いていると、私をアキサエルに戻すよう頼めだの……ミカエラ、キリング? 流石に身勝手な言い分過ぎないかしら?」


 私のことを見下して追放したっていうのに……いきなり手のひらを返すかのような主張に私は我慢ならなかった。これではまだ、追放した張本人のカシムの方がマシと言える。カシムは劣勢になっても、私を元に戻すなんて考えてないだろうから……きっと、プライドが許さないはず。


「で、でもね……あんたが居ないと不味いっていうのが、わかったのよ……。なんとか戻って来てよ、ね?」

「ああ……頼むぜ、リーシャ……!」


 プライドがないのか、ミカエラとキリングの二人は完全に手のひらを返している。呆れてものも言えないとは、まさにこんな状態を言うんでしょうね……。私は二人を無視して、カシムに視線を合わせた。

「まさか、あんたまで手のひら返しなんて、しないわよね?」

「あたりめぇだろうが……誰が、てめぇなんざに土下座して頼み込むかよ……」

「それを聞いて安心したわ。本当にアキサエルのことを蔑むところだったから……」


 良心の欠片が残っていたようで、私は安心する。この場合での良心っていうのは、追放した相手をピンチになったからって、簡単に戻そうなんて考えない人物の存在のことだけど。それが、私を追放したカシム本人になるとはね。


「私は戻る気なんてないし、ほら……エルドとパートナーを組むことにもなったから」

「な、なに……?」

 そう言いながら、私はエルドを見た。彼もそれに合わせて口を開く。


「ついさっきではあるが……私とリーシャは冒険者パーティを組むことにした。パーティというよりはタッグといった方が良いのかもしれないが」


 アキサエルのメンバーに対しての言葉だけど、彼ら3人は茫然としていた……何を考えているのかは予測できないわね。
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