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19話 エルドとの食事 その3
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「くそ……ここのパスタマズイんじゃねぇか?」
「パスタに当たるなよ……」
「てめぇ、キリング……!」
なんだか不穏な空気が漂っている隣の席。アキサエルのメンバーが仲間割れとも取れる光景が、私とエルドの席の隣で勃発していた。私達が隣に居るとも知らずに好き放題叫んだりしている。迷惑極まりない事態ね……間にある花壇さんには感謝の意を示したいわ、それによって上手く私たちは隠れているから。
さらに迷惑なことに、魔導士のミカエラもヒステリックになり始めた。
「ていうか、カシム? ちょっと考えたら、回復役や支援役もなく高難易度のダンジョンなんかに行けないって分かってるでしょ?」
「はあ? 仕方ねぇだろうが。今の住まいは家賃が高いんだ……高難易度ダンジョンに挑んで稼がないと駄目なんだからよ」
まだ以前までの住居に住んでいるのね。確かにあそこは4人で住むにしても、それなりの広さを有するところだった。その為に家賃は結構高い……それでも、私を含めた今までのアキサエルのメンバーなら、普通に払えていたんだけど。
支援役の私がいなくなったことで、高難易度ダンジョン攻略が難しくなっているわけね。
「もっと、ポーションとかハイポーションが必要なのよ……! じゃないと、キリングの壁が機能しないわ!」
「気安く言うんじゃねぇよ。ポーションだって薬屋で買う必要があるんだ。荷物はあまり大量に持っていけねぇしな……」
カシムはそう言ったけど、確かにそれも一理ある。戦闘を常に行う必要がある場合は、荷物は最小限にするべきだし、あまりに多くポーションを持って行って、その荷物を奪われたり、破壊されたら意味がない。それだけに、ポーションをその場で精製できる私は重宝されていた。
「ハイポーションの類も必要になってくるぞこのままじゃ……。あれは高いから、買いたくねぇんだがな……」
私の店のポーションなどは、相場よりも安いけどプライドがあるのか、カシムが買いに来たことはないわね。
「あんたが、リーシャを追放しなければ問題なかったのよ……!」
「今さら言いやがって……最初はお前も納得してただろうがよ!」
店員さんも困る程の大声になってきたアキサエルのメンバー。迷惑だけれど、話を聞いていて少し楽しくなってきた自分も居る。こういうのを、ざまあみろって言うのかしら?
「すごいじゃないか、リーシャ。やはり、君の能力は一流らしいな」
「そんな……このスキルのおかげだし、たまたまだし……」
「リーシャ、こういうことをこの場で言うのも変なんだが……」
「はい?」
なんだか急に、エルドが真剣な表情をし出した。隣は怒号がなっているし、すごいアンバランスな状況だけれど、私は彼の瞳に吸い込まれそうになる。周囲の雑音はかき消されていた。
「私は単独で冒険をしていたが、パートナーを探していたところなんだ。君の能力は本当に素晴らしい、よければ少しでいいので、私の冒険に参加してくれないだろうか?」
ああ……冒険者のパートナーってことね、なるほど。いえ、それはそれで、非常に嬉しいんだけれど……私は別のことを期待していただけに、肩透かしを食らっていた。駄目だわ、私……。
「パスタに当たるなよ……」
「てめぇ、キリング……!」
なんだか不穏な空気が漂っている隣の席。アキサエルのメンバーが仲間割れとも取れる光景が、私とエルドの席の隣で勃発していた。私達が隣に居るとも知らずに好き放題叫んだりしている。迷惑極まりない事態ね……間にある花壇さんには感謝の意を示したいわ、それによって上手く私たちは隠れているから。
さらに迷惑なことに、魔導士のミカエラもヒステリックになり始めた。
「ていうか、カシム? ちょっと考えたら、回復役や支援役もなく高難易度のダンジョンなんかに行けないって分かってるでしょ?」
「はあ? 仕方ねぇだろうが。今の住まいは家賃が高いんだ……高難易度ダンジョンに挑んで稼がないと駄目なんだからよ」
まだ以前までの住居に住んでいるのね。確かにあそこは4人で住むにしても、それなりの広さを有するところだった。その為に家賃は結構高い……それでも、私を含めた今までのアキサエルのメンバーなら、普通に払えていたんだけど。
支援役の私がいなくなったことで、高難易度ダンジョン攻略が難しくなっているわけね。
「もっと、ポーションとかハイポーションが必要なのよ……! じゃないと、キリングの壁が機能しないわ!」
「気安く言うんじゃねぇよ。ポーションだって薬屋で買う必要があるんだ。荷物はあまり大量に持っていけねぇしな……」
カシムはそう言ったけど、確かにそれも一理ある。戦闘を常に行う必要がある場合は、荷物は最小限にするべきだし、あまりに多くポーションを持って行って、その荷物を奪われたり、破壊されたら意味がない。それだけに、ポーションをその場で精製できる私は重宝されていた。
「ハイポーションの類も必要になってくるぞこのままじゃ……。あれは高いから、買いたくねぇんだがな……」
私の店のポーションなどは、相場よりも安いけどプライドがあるのか、カシムが買いに来たことはないわね。
「あんたが、リーシャを追放しなければ問題なかったのよ……!」
「今さら言いやがって……最初はお前も納得してただろうがよ!」
店員さんも困る程の大声になってきたアキサエルのメンバー。迷惑だけれど、話を聞いていて少し楽しくなってきた自分も居る。こういうのを、ざまあみろって言うのかしら?
「すごいじゃないか、リーシャ。やはり、君の能力は一流らしいな」
「そんな……このスキルのおかげだし、たまたまだし……」
「リーシャ、こういうことをこの場で言うのも変なんだが……」
「はい?」
なんだか急に、エルドが真剣な表情をし出した。隣は怒号がなっているし、すごいアンバランスな状況だけれど、私は彼の瞳に吸い込まれそうになる。周囲の雑音はかき消されていた。
「私は単独で冒険をしていたが、パートナーを探していたところなんだ。君の能力は本当に素晴らしい、よければ少しでいいので、私の冒険に参加してくれないだろうか?」
ああ……冒険者のパートナーってことね、なるほど。いえ、それはそれで、非常に嬉しいんだけれど……私は別のことを期待していただけに、肩透かしを食らっていた。駄目だわ、私……。
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