【ポーション製造】のスキルを持っていたけど、パーティ追放された件~薬屋経営することにし、高名な冒険者も来てくれました~

ルイス

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16話 スキルパワーアップ その3

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 なにか勘違いしているボイドさんとマーナおばさんは、私から離れた場所で待機し始めた。まったくもう……勘弁してよね。とちあえず私は、エルドにスキルがレベルアップし、ハイポーションも購入可能になったことを告げた。



「ハイポーションの製造を可能にしたのか……!?」

「は、はい、まあ……そうですね」


 私のハイポーションの小瓶を見て、高名な冒険者のエルドも身体中を振るわせ始めた。確かに、今までハイポーションの製造は全くできなかったし、そもそも、ハイポーション自体を見た経験がほとんどなかったけど。


 それは、エルドにとっても同じなのかもしれない。あ、そういえば、まだ敬語で話してるわ、私……。


「単純にハイポーション自体の需要がある、というのも大きいが……それを、比較的安値で売っているところが凄いな……」

「しまった、安かったですかね?」

「まあ、決めるのは君自身だが、倍くらいの価格にしても、普通に売れるだろうな」


 今の倍の価格でも売れる……しまった。別に守銭奴ってわけじゃないけれど、もう少し価格を上げれば、有名武具やの「ハーヴェスト」みたいな建物に引っ越す期間が短くなるかもしれなかったのに。


 でも、まあ……しばらくは今の価格でいくけどね。


「この1か月程の間に、ギルドでも君の名前を耳にする機会が多くなって来たよ」

「そうなんですか? ああ、そろそろ開店して1か月か……」


 ちょうど、「リーシャポーション」の経営と期間が一致している。ていうことは、私の店も有名になってきてるってことかしら?


「ハイポーションの製造を可能にしたことで、この店の売り上げは、さらに上がるだろうね。スキルがレベルアップしたというが……他に新しいポーションは製造できなかったのか?」


「今のところはハイポーションだけですけど……」


 私はそう答えたけど、確かに頭の中のイメージでは別のポーションも作り出せると書いてある。毒や暗闇などを治すヒーリングポーション、ステータス変化系を治すマインドポーション、全ての状態異常に効果のある万能薬など……例を挙げればキリがないけれど、もしもそれらまで作りだせたら、私はどうなってしまうんだろう?


 スキルのレベルアップ……これも、1年間におよぶ下積み? 生活があったからこそかしら? 楽しみで仕方がないわ!


 ……ところで、私を追放したカシムやミカエラは大丈夫なのかしら? ポーションとかは、他のお店で調達しているとは思うけれど。ダンジョン内で野垂れ死んだりしていないわよね?


「しかし、ハイポーションが精製出来ただけでも大きな進歩だな。お店経営をするにあたっても大きな武器になる」

「ありがとうございます、エルドさん」

「よし、リーシャのスキルパワーアップを祝して、食事でもどうかな?」

「え……わ、私とですか……?」

「ああ、いや別に無理にとは言わないけど。そうか、ポーション製造には精神力を行使するんだったな。済まない……配慮が足りなかったようだ」


 いや、確かにそうなんだけど……私は正直、エルドに会えたことで気分が高揚していた。食事くらいなら行けると思うし、ここは彼との仲を深めることを優先しようっと。

 遠くから見ているボイドさんとマーナおばさんの顔は視界に入れないようにしておいて……。


「食事なら大丈夫だと思います。是非、ご一緒させてください」


 私はエルドにはっきりと、行きたい意思を伝えた。
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