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11話 嫌な奴がやってきた その1
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「おいおいおい、噂には聞いていたけどよ、こんな所で露店の仕事かよ? リーシャ」
「カシム……」
エルドが私の前に立っていることなどお構いもせずに、私に顔を近づけて来るカシム。その背後にはミカエラの姿もあった。
「きゃはははは! 私たちの腰巾着でそこそこの生活送れていたのに、今は大変そうね? 露店商だなんて……雨の時とか、稼ぎがまったくないんじゃない?」
馬鹿笑いをしているのは、攻撃専門の魔導士ミカエラ。相変わらず憎たらしい表情で、私を見下しているみたい。確かに雨の日は大変だけれど、これでもそこそこ儲かってるんだからね?
「……」
エルドはお客さんの立場を考慮しているのか、無言でカシム達を見ているみたい。その真意はわからないけれど。
「お前が俺と付き合ってその身体を差し出していれば、こんなことにはならなかったのにな? なあ、ミカエラ?」
「本当ね~~。ホント、あんたは馬鹿だわ、馬鹿以外の何者でもないくらいに」
それぞれ言いたいことを言い終えると、大笑いをし始める二人。流石に馬鹿にし過ぎじゃないかしら? 本当に今までの私の努力はなんだったんだろうって思える……こんな連中の為に、ポーション製造や料理、家事をしていたなんて……。
「なるほど……これが、アキサエルか」
「エルドさん……?」
その時、、無言を貫いていたエルドが言葉を発した。心なしか怒っているようにも感じられるけど……。
「ん? なに、こいつ? ただの客じゃないの?」
「どこかで見たことがあるな……お前」
ミカエラと違って、カシムはエルドの顔に見覚えがあるようだった。そりゃ、エルド・マーカスっていったら、カシム達の「アキサエル」よりも有名な冒険者だし、知っていても不思議ではないけれど。
「申し遅れたな、カシム殿。私の名前はエルド・マーカスだ、例え相手が誰であろうとも自己紹介を欠くのは失礼だからな」
「エルド・マーカスだと……ああ、あの単独で冒険者活動をしているって噂の命知らずか」
カシムはエルドの名前を聞いたところで、特に怯んでいる様子はなかった。それどころか、単独冒険者であるという事実をバカにしているようにも感じられる。この男って、人の揚げ足を取ることに命でも懸けているのかしら? 本当に気分が悪いわ……。
「キャハハハハ、冒険者活動はチームプレイが最重要だってことを、知らない素人なんじゃないの? 単独行動の冒険者って異名が気持ちよくなっちゃったとか?」
カシムだけでなく、ミカエラも大笑いを開始した。流石にこれは見ていられないわ……私が反論をしようとしたところ、エルドは冷静に口を開いた。
「それは、そっくりそのままお返しするよ……彼女を追い出したツケはいずれ、大きく返って来るだろう。それも追放した理由が理由だしね」
「ああっ? なんだてめぇは? 喧嘩でも売ってるのかよ?」
エルドの冷静で皮肉な発言は、沸点の低いカシムを怒らせるには十分だった。なんだか面白い流れになって来たわね……。
「カシム……」
エルドが私の前に立っていることなどお構いもせずに、私に顔を近づけて来るカシム。その背後にはミカエラの姿もあった。
「きゃはははは! 私たちの腰巾着でそこそこの生活送れていたのに、今は大変そうね? 露店商だなんて……雨の時とか、稼ぎがまったくないんじゃない?」
馬鹿笑いをしているのは、攻撃専門の魔導士ミカエラ。相変わらず憎たらしい表情で、私を見下しているみたい。確かに雨の日は大変だけれど、これでもそこそこ儲かってるんだからね?
「……」
エルドはお客さんの立場を考慮しているのか、無言でカシム達を見ているみたい。その真意はわからないけれど。
「お前が俺と付き合ってその身体を差し出していれば、こんなことにはならなかったのにな? なあ、ミカエラ?」
「本当ね~~。ホント、あんたは馬鹿だわ、馬鹿以外の何者でもないくらいに」
それぞれ言いたいことを言い終えると、大笑いをし始める二人。流石に馬鹿にし過ぎじゃないかしら? 本当に今までの私の努力はなんだったんだろうって思える……こんな連中の為に、ポーション製造や料理、家事をしていたなんて……。
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その時、、無言を貫いていたエルドが言葉を発した。心なしか怒っているようにも感じられるけど……。
「ん? なに、こいつ? ただの客じゃないの?」
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ミカエラと違って、カシムはエルドの顔に見覚えがあるようだった。そりゃ、エルド・マーカスっていったら、カシム達の「アキサエル」よりも有名な冒険者だし、知っていても不思議ではないけれど。
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「エルド・マーカスだと……ああ、あの単独で冒険者活動をしているって噂の命知らずか」
カシムはエルドの名前を聞いたところで、特に怯んでいる様子はなかった。それどころか、単独冒険者であるという事実をバカにしているようにも感じられる。この男って、人の揚げ足を取ることに命でも懸けているのかしら? 本当に気分が悪いわ……。
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「それは、そっくりそのままお返しするよ……彼女を追い出したツケはいずれ、大きく返って来るだろう。それも追放した理由が理由だしね」
「ああっ? なんだてめぇは? 喧嘩でも売ってるのかよ?」
エルドの冷静で皮肉な発言は、沸点の低いカシムを怒らせるには十分だった。なんだか面白い流れになって来たわね……。
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