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第二十九話 京都1日目(露天風呂にて)4 ※
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(どかしてって…え!?)
この人は何を言っているんだ、と言わんばかりに葵が困惑していると、両手を掴まれた。
「見せて」
葵はそれに対して必死に抵抗する。
「は!?い、意味わからないんですけど!見たいってなんのことですか!」
「え?言わなくてもわかるでしょ?」
「分かりません!!ていうか、身体を見ようとするとか変態じゃないですか!」
「へぇー…」
「なっ……」
ドクン…
(なんだ、その顔……)
優一がニヤリと笑った、その瞬間、
突如優一に強い力で思いきり両手を上に引っ張られた。
そして、途端に葵のそれが露になる。
大きくなってしまっているそれが完全に優一に見られてしまった。
「こ、これは…っ…」
(うわぁぁ!!ど、ど、どうしよう!?)
優一は澄ました顔でサッと濡れた前髪をかきあげる。
そんな小さな仕草さえも今は、ますます葵の心の中の何かを掻き立てていくばかりだった。
いつもの優一ではない、そんな気がした。
「ふーん。じゃあさ、そんな変態と一緒にお風呂に入っただけで反応しちゃった葵くんは、もっと変態ってこと?」
「え!?ま、待ってください…!」
ドクン…ドクン…と鼓動が内側から叩きつけるように高鳴る。
(そんなわけ、無いだろ!!絶対に、ない!)
「様子が変だと思ったらこういう事だったんだね。葵くん?」
「こ、これは本当に違うんです…!!自分でもよく、わ、わからないんですっ…!だから決して優一さんに反応したわけじゃ……」
(反応したわけじゃ………?)
そう言っている自分でさえも、それが聞き苦しい言い訳にしか聞えなかった。
だって、信じたくなかったから。
男の体に反応したことなんて無かったし、自分は絶対にないと思っていたのに。
まさか近寄っただけで反応してしまったなんて言えるわけない。
葵の必死に言い訳に優一は手を掴んだまま黙り込む。
「と、とにかく自分で解決させるので、トイレ行かせてください…お願いします…お願いです…」
葵自身、そろそろ体の限界が近付いてきている気がした。
早く、触りたい。楽になりたい。
なのに、優一の手は葵の手を掴んだまま離さない。
むしろ藻掻くほどに力が強くなっている気がした。
「優一さんっ…き、聞いてます?離してくださいっ!てか、離せっ」
「無理」
「はっ?!何が無理なっ…!!」
その瞬間だった。
優一の片方の手が葵のそれを思いきり掴んだ。
直後、感じたこともないような衝撃が葵の全身を刺激した。
そしてそのままビクンっと体が畝って、腰が抜けてしまった。
「はうぅ!ちょっ…と…まって…優一さんっ!」
優一の手はそれを掴んだまま上下に動き始める。
すると瞬く間にそれが大きく、熱くなり、次第に気持ちよさが全身を伝い始める。
「優一さんっ…まって…だめだって…!」
チャポチャポと水の音が響いて、自分の吐息が響いて。
動きたいのに、上手く動けない。
優一の大きくて長い指が、器用にそれを撫で回す。
「優一…さん…なんでっ…」
「ん?だって…僕のせいで反応しちゃったんだろう?それなら、僕が責任を取って最後までしてあげるべきでしょう?」
「ちがうっ…優一さんで反応したとか本当にないんでっ…!」
「じゃあどこでそんな気分になったの?」
グイッと裏から撫でられ、ビクビクッと身体が反応する。
「僕で反応したわけじゃないのに、こんなに感じてるし?」
優一はそう言いながら、指で先の方をつまんだ。
「はっぁあ…」
きゅっと締め付けるような感覚に思わず声が漏れてしまう。
(気持ち…いい……)
でもそんなこと言えるわけがなく、葵は自分の口元を手で抑えたまま、優一の顔を見つめる。
整った顔が水に濡れ、ジトっとした切れ長の綺麗な瞼が淡い光の中で優しく映り込む。
その姿はまるで先程とは別人だ。
こんな色っぽい顔で見つめられたら、そりゃあ男だって反応してしまうだろ?ーーーーなんて言い訳じみたことを考えながら、気持ちいいところを責められてビクンビクンッと身体をびくつかせていると、優一はフッと口元に笑みを浮かべた。
その余裕さに、なぜだか腹が立つ。
(なんで、俺ばっかり…)
そして今日のことを思い出して、またモヤモヤしてーーーー
なのに、優一はそんなこと、知る由もない。
それが悲しい。
「可愛いね」
「なっ…か、可愛くない…!あっ…そ、そこやめてっ…」
優一は葵の裏筋あたりから先っぽまでをグリグリと手の中で弄る。
「良い反応。声我慢しなくていいから」
「何言ってっ…ここ外っ…」
「もっと聞かせて。」
「ぁあっ……」
「すごいな…こんなに濡れてる」
「はううっ……」
優一の手が温かくて、大きくて気持ちいい。
されるがままで、頭の中までかき乱されるほどなのに、相手は何も感じないし、反応もしない。
それがどうしてか、悔しかった。
ホモのくせに。キスするくせに。
こういうことに反応してしまったのは自分だ。
(やっぱこの人にとって、俺は一緒に暮らしてて家賃のために体を払うだけの関係で、それ以上の事なんてないの、かな…)
あれ、どうしてこんなことを思うのだろう。
どうして今、こんなことを思ってしまうのだろうーーーー?
「はぁ…はぁ…優一さんっもうだめっ…」
「葵くん、いっていいよ。」
「顔にかかっちゃう…から、だめだってっ…」
「それでいい。出して。」
(優一…さんっ…)
「葵くん、出せ。ほら。」
(だめっ…!)
「…あぁっ…!!!」
優一に耳元を舐められながら激しくしごかれると、葵は優一の身体にしがみつき、そのまますぐに絶頂を迎えてしまったのだった
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「本当に最低です…」
「はは、本当にごめんって。そんな怒らなくても。」
優一は逆上せて顔が真っ赤になった葵の顔を団扇で扇ぎながら申し訳なさそうな顔で笑う。
浴衣姿になって広げた毛布の上で、もうあとは眠るだけだと言うのに心臓はまだ先程までの興奮が忘れられずにいた。
「ーーーーでもさ、葵くん本当になんでああなってたの?やっぱり僕の身体に反応してたとかーーーー」
「ないです!!!」
葵は少し食い気味に否定してしまったが、優一はははっと笑うだけだった。
「な、なんですか…」
「ん?あ、いや、まあ、そっか。」
(え…?)
ドクン…
「そういう事はないっていうか、有り得ないな。」
(え、なんで…有り得ない…とか…)
「そ、そうですけど何か!て、てか俺もう寝ますっ!おやすみなさいっ。明日寝坊しないでくださいよっ」
葵はバッと布団をとると、勢いよくその中に潜り込んだ。
ああーーーーもう、今日は早く寝てしまおう。
明日もある事だし。
「……うん、わかっているよ。おやすみ」
暫くして優一の声が聞こえて、部屋の電気が消えた。
シーンと静まり返った部屋の中で葵は一人、瞑っていた瞳をあける。
そして、先程のことをもう一度思い返した。
まだあの手の感覚が、身体に残っていた。
優一の葵を見つめるあの瞳も、あの身体も体温も。
考えれば考えるほど、胸が苦しい。
ーーーー有り得ないーーーー
そうだよ、ありえない。
こんなに、否定して嫌になって、モヤモヤして。
あんな変態ホモ野郎に。
なのに。
(俺は本当に、どうしちゃったんだろうか)
やはりまだ自分のことが、よく分からないままだ。
この人は何を言っているんだ、と言わんばかりに葵が困惑していると、両手を掴まれた。
「見せて」
葵はそれに対して必死に抵抗する。
「は!?い、意味わからないんですけど!見たいってなんのことですか!」
「え?言わなくてもわかるでしょ?」
「分かりません!!ていうか、身体を見ようとするとか変態じゃないですか!」
「へぇー…」
「なっ……」
ドクン…
(なんだ、その顔……)
優一がニヤリと笑った、その瞬間、
突如優一に強い力で思いきり両手を上に引っ張られた。
そして、途端に葵のそれが露になる。
大きくなってしまっているそれが完全に優一に見られてしまった。
「こ、これは…っ…」
(うわぁぁ!!ど、ど、どうしよう!?)
優一は澄ました顔でサッと濡れた前髪をかきあげる。
そんな小さな仕草さえも今は、ますます葵の心の中の何かを掻き立てていくばかりだった。
いつもの優一ではない、そんな気がした。
「ふーん。じゃあさ、そんな変態と一緒にお風呂に入っただけで反応しちゃった葵くんは、もっと変態ってこと?」
「え!?ま、待ってください…!」
ドクン…ドクン…と鼓動が内側から叩きつけるように高鳴る。
(そんなわけ、無いだろ!!絶対に、ない!)
「様子が変だと思ったらこういう事だったんだね。葵くん?」
「こ、これは本当に違うんです…!!自分でもよく、わ、わからないんですっ…!だから決して優一さんに反応したわけじゃ……」
(反応したわけじゃ………?)
そう言っている自分でさえも、それが聞き苦しい言い訳にしか聞えなかった。
だって、信じたくなかったから。
男の体に反応したことなんて無かったし、自分は絶対にないと思っていたのに。
まさか近寄っただけで反応してしまったなんて言えるわけない。
葵の必死に言い訳に優一は手を掴んだまま黙り込む。
「と、とにかく自分で解決させるので、トイレ行かせてください…お願いします…お願いです…」
葵自身、そろそろ体の限界が近付いてきている気がした。
早く、触りたい。楽になりたい。
なのに、優一の手は葵の手を掴んだまま離さない。
むしろ藻掻くほどに力が強くなっている気がした。
「優一さんっ…き、聞いてます?離してくださいっ!てか、離せっ」
「無理」
「はっ?!何が無理なっ…!!」
その瞬間だった。
優一の片方の手が葵のそれを思いきり掴んだ。
直後、感じたこともないような衝撃が葵の全身を刺激した。
そしてそのままビクンっと体が畝って、腰が抜けてしまった。
「はうぅ!ちょっ…と…まって…優一さんっ!」
優一の手はそれを掴んだまま上下に動き始める。
すると瞬く間にそれが大きく、熱くなり、次第に気持ちよさが全身を伝い始める。
「優一さんっ…まって…だめだって…!」
チャポチャポと水の音が響いて、自分の吐息が響いて。
動きたいのに、上手く動けない。
優一の大きくて長い指が、器用にそれを撫で回す。
「優一…さん…なんでっ…」
「ん?だって…僕のせいで反応しちゃったんだろう?それなら、僕が責任を取って最後までしてあげるべきでしょう?」
「ちがうっ…優一さんで反応したとか本当にないんでっ…!」
「じゃあどこでそんな気分になったの?」
グイッと裏から撫でられ、ビクビクッと身体が反応する。
「僕で反応したわけじゃないのに、こんなに感じてるし?」
優一はそう言いながら、指で先の方をつまんだ。
「はっぁあ…」
きゅっと締め付けるような感覚に思わず声が漏れてしまう。
(気持ち…いい……)
でもそんなこと言えるわけがなく、葵は自分の口元を手で抑えたまま、優一の顔を見つめる。
整った顔が水に濡れ、ジトっとした切れ長の綺麗な瞼が淡い光の中で優しく映り込む。
その姿はまるで先程とは別人だ。
こんな色っぽい顔で見つめられたら、そりゃあ男だって反応してしまうだろ?ーーーーなんて言い訳じみたことを考えながら、気持ちいいところを責められてビクンビクンッと身体をびくつかせていると、優一はフッと口元に笑みを浮かべた。
その余裕さに、なぜだか腹が立つ。
(なんで、俺ばっかり…)
そして今日のことを思い出して、またモヤモヤしてーーーー
なのに、優一はそんなこと、知る由もない。
それが悲しい。
「可愛いね」
「なっ…か、可愛くない…!あっ…そ、そこやめてっ…」
優一は葵の裏筋あたりから先っぽまでをグリグリと手の中で弄る。
「良い反応。声我慢しなくていいから」
「何言ってっ…ここ外っ…」
「もっと聞かせて。」
「ぁあっ……」
「すごいな…こんなに濡れてる」
「はううっ……」
優一の手が温かくて、大きくて気持ちいい。
されるがままで、頭の中までかき乱されるほどなのに、相手は何も感じないし、反応もしない。
それがどうしてか、悔しかった。
ホモのくせに。キスするくせに。
こういうことに反応してしまったのは自分だ。
(やっぱこの人にとって、俺は一緒に暮らしてて家賃のために体を払うだけの関係で、それ以上の事なんてないの、かな…)
あれ、どうしてこんなことを思うのだろう。
どうして今、こんなことを思ってしまうのだろうーーーー?
「はぁ…はぁ…優一さんっもうだめっ…」
「葵くん、いっていいよ。」
「顔にかかっちゃう…から、だめだってっ…」
「それでいい。出して。」
(優一…さんっ…)
「葵くん、出せ。ほら。」
(だめっ…!)
「…あぁっ…!!!」
優一に耳元を舐められながら激しくしごかれると、葵は優一の身体にしがみつき、そのまますぐに絶頂を迎えてしまったのだった
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「本当に最低です…」
「はは、本当にごめんって。そんな怒らなくても。」
優一は逆上せて顔が真っ赤になった葵の顔を団扇で扇ぎながら申し訳なさそうな顔で笑う。
浴衣姿になって広げた毛布の上で、もうあとは眠るだけだと言うのに心臓はまだ先程までの興奮が忘れられずにいた。
「ーーーーでもさ、葵くん本当になんでああなってたの?やっぱり僕の身体に反応してたとかーーーー」
「ないです!!!」
葵は少し食い気味に否定してしまったが、優一はははっと笑うだけだった。
「な、なんですか…」
「ん?あ、いや、まあ、そっか。」
(え…?)
ドクン…
「そういう事はないっていうか、有り得ないな。」
(え、なんで…有り得ない…とか…)
「そ、そうですけど何か!て、てか俺もう寝ますっ!おやすみなさいっ。明日寝坊しないでくださいよっ」
葵はバッと布団をとると、勢いよくその中に潜り込んだ。
ああーーーーもう、今日は早く寝てしまおう。
明日もある事だし。
「……うん、わかっているよ。おやすみ」
暫くして優一の声が聞こえて、部屋の電気が消えた。
シーンと静まり返った部屋の中で葵は一人、瞑っていた瞳をあける。
そして、先程のことをもう一度思い返した。
まだあの手の感覚が、身体に残っていた。
優一の葵を見つめるあの瞳も、あの身体も体温も。
考えれば考えるほど、胸が苦しい。
ーーーー有り得ないーーーー
そうだよ、ありえない。
こんなに、否定して嫌になって、モヤモヤして。
あんな変態ホモ野郎に。
なのに。
(俺は本当に、どうしちゃったんだろうか)
やはりまだ自分のことが、よく分からないままだ。
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