経典 第7巻 1章 1節「太陽を喰らった漆黒の守護竜」

──はるか昔、その星(セカイ)には“月”と呼ばれるモノが存在しなかった。

昼は太陽が赤々と地上を照らし、夜は頼りない星明かりと闇が支配する。
そんな星(セカイ)で、人々は穏やかに暮らしていた。


しかし、そんな日々は唐突に破られる。


恵をもたらすはずの太陽が……夜を喰らったのだ。


生き物が堕ち、大地は焼け、海は干上がった。

こうして、この星(セカイ)は緩やかに、しかし確実に死に絶える……はずだった。


闇の消えた星(セカイ)に、黒より暗い漆黒の鱗が舞うまでは。



──これは神話に語られる物語と、たったふたりだけの記憶に残った物語である。



~*~*~*~*~*~*~*~*~

《アルファポリス》《pixiv》《小説家になろう》《カクヨム》《ノベルアップ》《ツギクル》に投稿しています!

~*~*~*~*~*~*~*~*~

表紙イラスト

夏雲
https://www.pixiv.net/users/67852331
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,154 位 / 193,154件 ファンタジー 44,771 位 / 44,771件

あなたにおすすめの小説

孤独な狼は愛を返す:たとえ惨めに打ち捨てられても、貴方のために祈ります

日室千種・ちぐ
恋愛
狼と聖女の神話が残る王国の、最後の聖女の物語。 狼騎士と称えられるルーディウスに、突然婚約破棄を告げられ惨めに打ち捨てられたアミナ。それでもアミナは、隣国との戦争に出かけたルーディウスのために、聖女として必死にその無事を祈る。だがルーディウスの狙いは、国の圧政を覆すために反旗を翻す第二王子に加担することだった。そのために聖女アミナの祈りを挫く目的で、手酷く捨てたのだ。その思惑は外れ、祈りが戦場に満ちたが、それでも戦況は国に不利に傾き、祈りをおろそかにしたと疑われたアミナは国王に害されそうになる。それを救ったのは、アミナに冷たい仕打ちを繰り返していた美貌の第一王子オルヴェルトだった。オルヴェルトは、疲弊し命を削るように祈り続け弱ったアミナに、最後の手段を迫る。一方、アミナの祈りに変わらぬ愛を確信したルーディウスは、自分の選択が間違っていたと悟り、アミナを救い出すために動き出すのだった。 第一王子オルヴェルトと狼騎士ルーディウスの聖女アミナをかけた争いと、王家に隠された秘密、第二王子の思惑が絡まる、ヒストリカルロマンス。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

魔術師見習い、ニッポンの侍の末裔を召喚する(?)

三毛猫 ポチ
ファンタジー
侍の時代が終わって100年以上が経った・・・800年に渡って続く侍の家系の37代目を継ぐはずの男がいた・・・ そんな37代目を聖騎士(パラディン)として召喚した女たちがいた! アツモリ (男)  本名 阿佐敦盛(あさ・あつもり)     37代目 阿佐揚羽流の継承者  経典に書かれた『終末の聖騎士』・・・と思われる(?) エミーナ (女)  職業 魔術師見習い(卒業試験を受けてないから見習いのまま)  経歴 ヒューゴボス帝国魔術師学校中退     (学校が閉鎖されたから)     エウレパ大陸冒険者ギルド・ファウナ支部所属     アツモリをこの世界に召喚?した張本人 ルシーダ(女)  職業 神官見習い(卒業試験を受けてないから見習いのまま)  経歴 バレンティノ教団クロト修道院・神官課程中退     (修道院が閉鎖されたから)     エウレパ大陸冒険者ギルド・ファウナ支部所属     エミーナの仲間 ☆この作品はノベルアップ+で同タイトルで公開しています

キャロット・コンプレックス

田中まぐろ
ファンタジー
あらすじ 高校二年生の朝日 愛(あさひ いと)は、両親の不仲がきっかけで内向的な性格になってしまった。母親から「この世に生んで…ごめんね」と言われ、深く心に傷を負い、家を飛び出してしまう。無我夢中で走り、辿り着いた場所は、いつも毎朝御参りしている神社・東京太神宮(とうきょうたいしんぐう)だった。吸い込まれるように鳥居を潜ると、境内はなんと洞窟となっていた。 洞窟の奥に進むと、錆びた”レイピア”が落ちていた。そのレイピアから謎の声と朝日色の光が放たれ、五つの名が浮かび、そして愛(いと)は地神球(ちじんきゅう)と呼ばれる、神と人間が住む世界に飛ばされてしまう。 飛ばされた世界で、月の仮面を被った月下(げっか)と名乗る集団に襲われそうになるが、手脚から炎を出す不思議な青年に助けられる。 なんとその青年は天照大御神の”御神体”を授かった、人神(にんじん)と呼ばれる、人と神の血を引く者だった。 外部サイト 小説家になろう・カクヨムにも重複投稿しております!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。 その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。 そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。 『悠々自適にぶらり旅』 を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

お嬢様言葉縛りの聖女様 〜前世の記憶を思い出したらお嬢様言葉しか話せなくなってしまいましたわ!!〜

青野そら
ファンタジー
前世では普通のOLをしていたわたし。 日々を生きる糧は推しの存在と、敬愛するお嬢様言葉のキャラ。 その記憶を思い出した途端、なぜかお嬢様言葉しか話せなくなった!? 確かに尊敬してたけど、そうじゃなーい! そんなへんてこりんな主人公が、立派な聖女を目指すお話。