この夏が終わっても

最終章

里奈side

【数日後/自宅】

「う～……。緊張して吐きそう……」

ヒマワリ柄のワンピースにカーディガンを羽織り、洗面所の鏡を見つめながら、私は自分の顔をペチペチと軽く叩く。

今日は9月に入って、最初の日曜日。
昨夜はあんまり眠れなかった。

なぜなら今日は……。


ピンポーン！

「！……は、は～いッ！！」

き、きたぁ～っ！！

家のチャイムが鳴って、一気に跳ね上がる心臓。
インターフォンの存在なんてすっかり忘れて玄関に駆けていくと、私は勢い良く扉を開けた。


「！……うわっ！
はやっ、ビックリした～」

ガチャッ！と言う扉が開く音とほぼ同時に聞こえた、驚いた将ちゃんの声。

……今日は。
本当の恋人になった将ちゃんとの初デートだ。