この夏が終わっても

☆リサーナ☆

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第1章 里奈side

(1)里奈side

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けれど、嬉しい気持ちと同時に……。
私にこんなお願いをするって事は、彼にとって自分は恋愛対象ではないのかな?と複雑な想いが広がって、なかなか返事が出来ない。


本当の恋人には、なれないのかな?
将ちゃんは、私をどう想ってるの?

そんな事を心の中で呟いて見つめていると、私と目の合った将ちゃんは少し気不味そうにグラスに入ったジュースを飲み干して席を立った。


「わりっ、今の話は忘れて」

「!……えっ?」

「変な事言って悪かった。……じゃ、またな」

微笑んで私の頭をポンポンッと叩く様に撫でると、将ちゃんは伝票を持って歩き出す。

……。
待って……。

お願いっ、待って…!!


とっさに叫んだ私の心。
自然と動いた私の身体。

隣を通り過ぎて帰ろうとした彼の服の裾を、私の手が必死に掴んで止めていた。
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