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(1)死神騎士
(1)死神騎士
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「ひいっ!ゆ、許してくれっ……!」
王の間に響く、酷く間抜けな声。
血に濡れた剣を片手に、ここに来るまでに斬った奴等の返り血を浴びた俺が歩み寄ると、国王は玉座から落ち、尻餅をつきながら後退りをする。
俺よりも立派な甲冑や装飾の衣服を身に纏い、腰にはその高価な値段に劣る事ない威力を秘める剣を差していながら、今にも小便を漏らしそうな青ざめた面に震えた身体。
その姿に「ククッ」と喉を鳴らした。
「『許してくれ』……か。自分が何をしたのか自覚があってよかった。
俺はずっと、この日を待っていたんだからなッ!!」
持っていた剣を振りかざして、俺は心の中で呟いていた。
『リアナ、待たせてごめん』……と。
俺が今剣を向けているのは、敵国の王ではない。つまり、自国の王。
俺は、こいつに復讐する為に今日まで生きてきたーー。
王の間に響く、酷く間抜けな声。
血に濡れた剣を片手に、ここに来るまでに斬った奴等の返り血を浴びた俺が歩み寄ると、国王は玉座から落ち、尻餅をつきながら後退りをする。
俺よりも立派な甲冑や装飾の衣服を身に纏い、腰にはその高価な値段に劣る事ない威力を秘める剣を差していながら、今にも小便を漏らしそうな青ざめた面に震えた身体。
その姿に「ククッ」と喉を鳴らした。
「『許してくれ』……か。自分が何をしたのか自覚があってよかった。
俺はずっと、この日を待っていたんだからなッ!!」
持っていた剣を振りかざして、俺は心の中で呟いていた。
『リアナ、待たせてごめん』……と。
俺が今剣を向けているのは、敵国の王ではない。つまり、自国の王。
俺は、こいつに復讐する為に今日まで生きてきたーー。
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