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第23章(2)アカリside

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そして……。

「っ……アカリ様っ?どうかされましたかっ?」

「えっ……?」

スズカは私の顔を見て心配そうな表情を浮かべると、慌てて駆け寄りそう尋ねてくる。

!っ……いけない。

その様子にハッとして自分の今の状態と状況を理解するが、今更隠しようもなく私は涙を拭いて苦し紛れに微笑った。

「ごめんね。……ちょっと、昔の事とか、色々思い出しちゃったの」

「っ……そうですか」

素直に告げると、彼女は察してくれたようにそれ以上は聞かず、笑顔を返してくれる。

「アラン様がお部屋に来て欲しいとの事です。体調がすぐれぬようでしたら、そうお伝えしましょうか?」

「ううん、平気!今行くわ。
……と。メイクだけ、直すわね」

「はい、かしこまりました」

スズカの笑顔と心遣いに少し癒されると、私はぬいぐるみをベッドの上に置いて化粧台へ向かった。

その時。
スズカがふと目に入ったベッドの上のぬいぐるみを見て何かを察している事を、私は知らなかった。
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