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第20章(4)マオside

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あの時そう決断した事に、後悔はない。
きっと僕は何度あの時に戻れたとしても、同じ人生みちを選ぶと思う。

クリスマスイブにアカリさんとの別れを目の当たりにした際は、確かに気持ちが揺らいだし、自分の能力ちからを一瞬恨んだ……。


けど、分かったんだ。
僕がこの能力ちからの意味と、僕の役割。

それは……。

ーーピリリリリーーッ……!!

応接間に鳴り響く着信音。
僕は片付けの手を止めて、胸ポケットからポケ電を取り出すと着信相手を確認した。
着信相手は、シャルマ様。

僕は気付いたんだ。
自分の敵……。いや、全ての黒幕に。


ミネアさんの妊娠が分かって、シャルマ様は「良くやった!これで我が家も安泰だ!」って上機嫌に言いながら僕の肩に触れた。

その瞬間に全部全部分かったんだ。
ゾクッと心が凍りそうな程の、ドス黒い感情。シャルマ様の企みや想いが、僕には手に取るように伝わってきた。


シャルマ様は僕とミネアさんの婚姻でその関係を確かにした後に、全てを奪い、自分のものにしようとしている。
ミネアさんの孤独を知っていて心の傷につけ込み、別の男性と関係を持たせたのも。僕がそんな彼女を見捨てられなくなるのも、全てシャルマ様の計算。

そしてその計画を邪魔をする者が居たら、全て消すつもりだった。
その中には……アカリさんも含まれていた。


ーー絶対に、誰も傷付けさせない。
シャルマ様の思い通りになんて、させない。

そう決意すると、僕は電話に出た。
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