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第7章(1)レナside
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しおりを挟む『下記の場所にて、事件が発生した模様。
セキュリティーシステムが何者かによって解除され、現在管理人、配置されている警備員とは連絡が取れない状況。
手が空いた調査員及び、近辺に滞在している調査員は直ちに現場に向かい報告を求める。
……
………』
そんなメッセージ内容と一緒に送られてきた、地図。
その地図が示す場所に、一気に血の気が引く。
「!っ……姉さん!
この場所、ヴァロン様の!!」
レイの言葉が、信じたくない現実が起っている事。私の見間違いではない事を、告げる。
地図が示す、事件が起っている場所は……。
ヴァロン様の自宅がある建物。
「っ……レイ!すぐに行くわよッ!!」
言葉を発した直後に、レイの返事を聞く前に私は駆け出していた。
これはきっと……。
ううん。絶対に調査員としてではなく、私情だった。
その証拠に、現場に向かうまで私が考えていたのは、アカリさんとヒナタちゃんの安否。
管理人や警備員、あの建物に住む他の人の事なんて、頭になかった。
……。
ずっと、両親を助けてくれなかった人達が嫌いだった。
だから……。私は調査員になった時に、困っている人には”平等”でいようと思った。
誰にでも、分け隔てなく接しようとしていた。
……。
でも、私も同じだった。
窮地になったら、人は誰だってみんなを”平等”なんかには想えない。
自分と、自分の大切な人を守る事で手一杯なのだ。
”離れなくていい”……。
出会った時に、たった一言ヴァロン様が言ってくれたあの言葉が、改めて重く感じる。
憎しみや悲しみに惑わされず。
目の前の、自分の幸せに気付きなさい。
あの日レイと引き離されていたら、私は何一つ大切な事には気付けない人間になっていた。
……
…………。
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