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第8章(5)アカリside
5-2
しおりを挟む『俺達さ、絶対にまた会えるよ。
根拠なんてないけど……。
今俺の中にある強い気持ちが、自信を持って、またアカリを見付けられるって思うんだよね。
もし、アカリの気持ちが俺と同じだったら……。
自然と引き合わされて、絶対に巡り逢えて……。
また、惹き寄せられて、恋をすると思う』
ヴァロンが別れる際に、残してくれた手紙の内容。
ーーなんだ。
今度は私が、待つんじゃなくて見付けようと思っていたのに……。
やっぱり、貴方は先に私を見付けてくれる。
そして、私の心をあっという間に掴んでいくんだね?
『アカリが俺の帰る場所だから、どうか俺が迷ったりしないように微笑っていて下さい。
たくさん泣いてもいいから、最後は明るい笑顔を見せてほしい。
約束するよ。
明るい里を、俺は絶対に忘れない』
ーーうん。
約束、守ってくれて……ありがとう。
心の中で呟いて、今にも溢れそうな涙を抑え込んで私は微笑った。
どんな時も、笑顔でいようと思った。
彼が迷わずに私の元へ……。
ーーううん。
私達家族の元へ、本当に帰って来られるその日まで……。
自然と引き合わされて、もう一度巡り逢えた。
惹かれ合って、恋をして、また一緒になれる。
そう、信じようって思えた。
彼が”明るい里”に辿り着くまでのその道のりが、どんなに険しいかも、知らないのに……。
「ーーマオしゃーん!」
「マオさーん!こっちにきてー!」
見つめ合っていたら、すっかり彼に懐いた子供達が少し離れた場所から手を振って呼んでいた。
私達は「ハッ」として、少し照れ臭そうに目を逸らす。
「はっ……はい!
……あ、い、いってきます!」
「!っ……あ、いって……らっしゃい」
顔を赤くして、自分の顔の横まで手を上げた彼が、まるで自宅から出掛けるような言葉を掛けてくれた。
またそれが嬉しくて、私も手を振って子供達の方に走って行く彼を見送る。
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