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第4章(1)紫愛side
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「エマ!ここが私の部屋だよ!
遠慮はいらないから、ゆっくり寛いでね!」
そう言って私が自室の部屋へ招き入れると、エマは遠慮がちに足を踏み入れながらキョロキョロと部屋の中を見渡した。
何故、エマが私の部屋にいるのか?と言うと……。
アレクとパトラと顔合わせを済ませた後、本当はエマは本部の女子寮へ案内される予定だったんだけど……。やっぱり、私から離れなかったんだよね。
んで、パパが「仕方ねぇな~」って、他のお偉いさん達に許可を取ってくれて……。その結果エマは、我が家で下宿する事が決まったの。
「あらあらぁ~!娘がもう1人増えたみたいねぇ~、紫夕ちゃん!」って、マリィも優しく迎え入れてくれて、そんな様子に最初はビクビクしていたエマも少しずつ落ち着いてきているように感じる。
「さて!晩ご飯の前に、先にお風呂に入ろうか?私のパジャマ貸してあげる!エマは黄色とか似合いそうかな~」
友達が泊まりに来る、なんて生まれて初めての事で私は内心ワクワクしていた。
人型魔物である私の正体がバレる事を恐れたパパに、他人と長時間一緒に居たり、ましてや一緒に寝泊まりする事は、幼い頃から遠避けられていたから……。
パパを困らせたくないし、悲しませたくないからなるべくワガママは言わなかったけど、本当はずっとずっとこうして普通に友達と過ごしたかった。
それに実は、妹か弟もほしかったんだよね~。
いつも妹の話をするアレクやパトラが、「大変!」と言いながらも幸せそうにしているのが羨ましくもあった。
私とエマはそんなに歳が離れている感じではなさそうだけど、自分よりも小さくてくっ付いてくる存在に姉のような感情が芽生える。
私が護ってあげるんだ!って。
「エマ、このパジャマとこっちのパジャマどっちがいい~?」
私はタンスから新しいパジャマを取り出すと、エマの方に目を向けた。
するとエマは、棚や机の上に飾ってある写真立てをじっと眺めている。その写真に写っているのは、私達家族の写真だ。
「エマ!ここが私の部屋だよ!
遠慮はいらないから、ゆっくり寛いでね!」
そう言って私が自室の部屋へ招き入れると、エマは遠慮がちに足を踏み入れながらキョロキョロと部屋の中を見渡した。
何故、エマが私の部屋にいるのか?と言うと……。
アレクとパトラと顔合わせを済ませた後、本当はエマは本部の女子寮へ案内される予定だったんだけど……。やっぱり、私から離れなかったんだよね。
んで、パパが「仕方ねぇな~」って、他のお偉いさん達に許可を取ってくれて……。その結果エマは、我が家で下宿する事が決まったの。
「あらあらぁ~!娘がもう1人増えたみたいねぇ~、紫夕ちゃん!」って、マリィも優しく迎え入れてくれて、そんな様子に最初はビクビクしていたエマも少しずつ落ち着いてきているように感じる。
「さて!晩ご飯の前に、先にお風呂に入ろうか?私のパジャマ貸してあげる!エマは黄色とか似合いそうかな~」
友達が泊まりに来る、なんて生まれて初めての事で私は内心ワクワクしていた。
人型魔物である私の正体がバレる事を恐れたパパに、他人と長時間一緒に居たり、ましてや一緒に寝泊まりする事は、幼い頃から遠避けられていたから……。
パパを困らせたくないし、悲しませたくないからなるべくワガママは言わなかったけど、本当はずっとずっとこうして普通に友達と過ごしたかった。
それに実は、妹か弟もほしかったんだよね~。
いつも妹の話をするアレクやパトラが、「大変!」と言いながらも幸せそうにしているのが羨ましくもあった。
私とエマはそんなに歳が離れている感じではなさそうだけど、自分よりも小さくてくっ付いてくる存在に姉のような感情が芽生える。
私が護ってあげるんだ!って。
「エマ、このパジャマとこっちのパジャマどっちがいい~?」
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