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第6章(4)ツバサside
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しおりを挟む《頭の回転が本当に早いね。
お察しの通り、天使の血を持つ者と天使の血を持つ者をかけ合わせる。つまり、天使の一族同士が交わり子が生まれれば、その子は天使の血を濃く受け継ぐ事になる》
「っ、……。
俺が、そうだっていうのか?」
天使は頷く。
でも、俺は納得がいかない。と、言うか、それはあり得ない。
「嘘だっ……。だって、俺の母さんは人間だ!」
それはハッキリ分かるし、ハッキリ言い切れる。
俺には母さんの心が読めるし、兄弟や親戚から感じる天使の血の気配はまるで感じない。
……でも。ならば、もしかして……、…………。
《ああ、それは違うから安心していいよ》
また俺の気持ちを先読みした天使が言う。
《君のお母さんは、ちゃんと君のお母さんだ。正真正銘、君はあのお母さんから生まれている》
「っ……」
その言葉に、少しホッとした。
けれど、すぐに新たな疑問が思い浮かぶ。
ならば、どこで?
どこで、俺の血は天使に近くなったーー?
そう思った直後、天使が微笑みながら言った。
《どうやら君は、君のお父さん、そしてそのお父さん……。つまり、君の祖父に当たる人物から能力を受け継いでいる、と思っているんだね?》
「えっ?」
《そこが間違いだよ。
君の能力は祖父からではなく"祖母"から。アンナ、と言う人物からの能力を受け継いでいるんだ》
「っ、……アンナ?」
初めて聞くその名前。
そして、まさかの祖母が天使の血を持っていたと言う事実にまた俺は困惑し、動揺する。
そんな俺を見て、天使は楽しそうに続けた。
《アンナはね、そこに倒れてるシャルマが"1番憎んでいた相手"だよ》
「1番、憎んでいた……相手っ?」
《そう。つまり、愛人が生んだ、シャルマにとって異母の妹だ》
「っーー……!!」
聞いた瞬間、全身にゾワッと悪寒が走った。
まさか、と思った全てが繋がる。悪い悪い、考えの方へ……。間違いであって欲しいと願った、想いとは全くの別方向へ進んで行く。
俺は、震える身体を自分で抱き締めるようにして、落ち着けようとした。けれど、心の震えが治らない以上、その震えは止まる筈もなかった。
天使は続ける。
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