片翼を君にあげる②

☆リサーナ☆

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第6章(1)ノゾミside

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「大体あのオッチャンは手加減なさ過ぎですよ!」

!っーー……おっ、ちゃん???
そ、それって、瞬空シュンクウの事よね???

まさかと思った。が……。

「オッチャンになると、やっぱりものの考え方とか頑固になるのかなぁ?さっきだって……」

聞き違いかと思ったが、間違いない。
ハッキリと「おっちゃん」と言っている。
確かに瞬空シュンクウは私よりもかなり歳上で、十代のジャナフ君からしたらもっともっと歳上という事になる。
けれど、あの瞬空シュンクウをおじさん扱いする人を、私は初めて見た。

「っ~~……ふふっ」

「!……ノゾミさん?」

「あはっ、あはははははは………っ!!」

我慢出来なくて、私は笑った。
おかしくておかしくて、お腹が痛い。こんなに爆笑したのはいつぶりだろう。

「ふふっ、ごめんな、さいっ。
あの瞬空シュンクウを「おっちゃん」なんて呼ぶ人、初めてでっ……ビックリして」

目尻に溜まった涙を指で拭いながらそう言うと、突然の爆笑に驚いていたジャナフ君が安心したように微笑った。

「大丈夫ですよ」

「!……え?」

「ノゾミさんは、とっても可愛い女の子です!」

「っ……」

そのストレートな言葉と笑顔に、キュンッとしない女の子はいないと思った。
癒されて、自分も自然と素直になれる。

瞬空シュンクウは、あれでもちゃんと手加減していたんです」

「えっ?」

「もし彼が全力で技を放っていたら、私はこんな傷ではすみませんでしたわ。彼は彼なりに、手加減してくれていました。
……でも、丸腰の状態だったツバサ君が受けていたら、三ヶ月は次の下剋上の予定が組めなくなっていたと思います。
だから私は、それを防げてとても満足しています。ツバサ君には絶対、レノアちゃんと一緒になってほしいから……」

こんなに自分の気持ちを誰かに話すのは久し振りだった。
チラッとジャナフ君を見ると、ただ彼は黙って私を見つめてくれている。話を聞いてくれてる。
私は続けた。
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