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第4章(2)ツバサside
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……
…………。
最初の台詞や行動は俺からだ。
まずは、月を誘った桜が無邪気に砂浜へ踏み出す。
「わぁ~!見て、月!綺麗だね~」
夜空に浮かぶ満月と、自分の後ろからゆっくりと付いてくる月を交互に見るようにクルクルと舞いながら、俺は言った。
大好きな人とのひと時。
きっと桜はものすごく嬉しかった筈だ。歩みにその嬉しさが溢れる程に……。
そして彼女は、いつも傍で見守ってくれた彼に言葉では言い表せない程の感謝をしていた。
だから、決めていた。例え彼の望みがどんなものでも構わないと……。
「さっ、月。約束通り、貴方の願いを教えて?」
少し前に、次の満月の夜には彼の願いを叶えると約束していた。
大好きな彼の願いを叶えたいーー。
そんな想いで、胸がいっぱいだった。
「……本当に、何でもいいの?」
首を少し傾けて、目を細めて、意地悪そうな笑顔で尋ねてくる月。
そのミライさんの演技は、さすがと言う程に自然で……。でも、驚きよりも嬉しくて、俺の気持ちも一段と桜に近付いていく。
目の前の月がとても大切で、どんな望みでも叶えてやりたいと思った。
少し前の俺だったら、分からなかったかも知れない感情。けど、レノアへの想いを受け止めた今の俺なら、分かる。
「もちろん!」
ただ大切な人に喜んでほしくて。幸せにしたくて。
その一心の気持ちで、笑顔で頷いた。
すると月は、目の前で片膝を着いて、そっと桜の左手を取って、自らの望みを言う。
「ずっと微笑ってて」
「!……え?」
「今みたいに、ずっと微笑っててよ」
好きな人にそんな事を言われて、彼女はどんな気持ちだったのだろうーー?
子供の頃、客観的に観ていた時には分からなかった。
でも今は、自然とその言葉が心に沁みて、その想いが溢れるように涙が流れ落ちた。
…………。
最初の台詞や行動は俺からだ。
まずは、月を誘った桜が無邪気に砂浜へ踏み出す。
「わぁ~!見て、月!綺麗だね~」
夜空に浮かぶ満月と、自分の後ろからゆっくりと付いてくる月を交互に見るようにクルクルと舞いながら、俺は言った。
大好きな人とのひと時。
きっと桜はものすごく嬉しかった筈だ。歩みにその嬉しさが溢れる程に……。
そして彼女は、いつも傍で見守ってくれた彼に言葉では言い表せない程の感謝をしていた。
だから、決めていた。例え彼の望みがどんなものでも構わないと……。
「さっ、月。約束通り、貴方の願いを教えて?」
少し前に、次の満月の夜には彼の願いを叶えると約束していた。
大好きな彼の願いを叶えたいーー。
そんな想いで、胸がいっぱいだった。
「……本当に、何でもいいの?」
首を少し傾けて、目を細めて、意地悪そうな笑顔で尋ねてくる月。
そのミライさんの演技は、さすがと言う程に自然で……。でも、驚きよりも嬉しくて、俺の気持ちも一段と桜に近付いていく。
目の前の月がとても大切で、どんな望みでも叶えてやりたいと思った。
少し前の俺だったら、分からなかったかも知れない感情。けど、レノアへの想いを受け止めた今の俺なら、分かる。
「もちろん!」
ただ大切な人に喜んでほしくて。幸せにしたくて。
その一心の気持ちで、笑顔で頷いた。
すると月は、目の前で片膝を着いて、そっと桜の左手を取って、自らの望みを言う。
「ずっと微笑ってて」
「!……え?」
「今みたいに、ずっと微笑っててよ」
好きな人にそんな事を言われて、彼女はどんな気持ちだったのだろうーー?
子供の頃、客観的に観ていた時には分からなかった。
でも今は、自然とその言葉が心に沁みて、その想いが溢れるように涙が流れ落ちた。
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