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第2章(3)ツバサside
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しおりを挟む「ご、ごめん。今から最終確認があるんだ」
「っえ?!まだお仕事あるの~?!」
俺の返答に分かりやすくジャナフの背後にガーン!っとショックを受ける大文字が見えた事は、もはや読者様に説明しなくてもお分かりであろう。
意地悪ではない。明日に備えて最終確認の為、もう一度舞台周りを見ておこうと思ったのは本当。
でも、きっとジャナフが誘ってくれなかったら俺は一晩中明日の事ばかり考えて根を詰めていたであろう。彼のお陰で、気負っていた心が和むのを感じた。
「じゃ、じゃあ……ダメ、だよね。無理、だよね……。そうだよね、もう明日から勝負だもんね……」
「ーーでも。
30分位待っててくれるなら、一緒に行こうかな」
「!……え?ほ、本当?」
一緒に行こうかな。
俺のその言葉を聞くと、ジャナフの表情がまたみるみるうちに変わっていく。ガッカリ顔から驚きボー然顔、そしてまたパァッと微笑む。
「待つ待つ~!いくらでも待ってる!
わ~い!ツバサとラーメンだぁ~!」
「やったぁ~!」とその場でジャンプする彼には、やはり頭に犬耳、お尻にブンブンと振る尻尾見えた。
これもきっと最高責任者の思惑通り。ジャナフの勉強と同時に、俺が必要以上に気負い過ぎないように考慮しての事に違いない。
全く、さすがと思わずにはいられないな。
「じゃ、早急に最終確認してくる」
「あ!待って~ボクも行く~!
……って。ツバサ、なんで笑ってるの???」
ずっと笑いを堪えていたのに、後をくっ付いてくるジャナフが本当に忠犬みたいで俺はついに我慢の限界。歩きながら「ぶはっ」と吹き出すと、ジャナフは不思議そうに?マークを頭上いっぱいにしていた。
……
…………。
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