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番外編①紫夕side
①-1-6
しおりを挟む「望月君、君は今男手ひとつで子供を育てているんだろう?それも、二人も」
「っ……」
「一人は養子、もう一人は君との血の繋がりは認められているらしいが、認知されたのは最近と聞いている。隠し子同然じゃないか。
そんな君を分かった上で、あちらは「是非」と言ってくれているんだ。有り難い話だと思わないかい?」
その言葉に、俺は思わず拳をギュッと握り締めた。
雪の存在や俺達家族の事を深く知らない人間にとって、弥夜や紫愛は"母親に捨てられた可哀想な子"だった。
人型魔物だった雪の存在を隠し、また、紫愛の存在も俺は雪が居る間はずっと世間に公表してこなかった。
理由は、雪と紫愛を引き離したくなかったからだ。
紫愛の存在を公表したり、俺の戸籍に入れたりすれば「妻は?」「母親は?」と必ず突っ込まれてしまうし、変に隠せば無闇矢鱈に探ろうとする人間もいるであろう。
静かに、暮らさせてやりたかった。
森の中の小さな家と言う限られた空間の中で、贅沢なんて一切せず……。それでも、紫愛達と一緒に暮らせて幸せそうな雪の笑顔を、俺はずっと見ていたかったんだ。
だから、俺が弥夜と紫愛の事を守護神に正式に子供として届出を出したのは雪がいなくなってから……。その結果が、これだ。
弥夜は、俺の相手の女が前の男との間に作った連れ子。紫愛は、孕った相手の女が俺に黙ってひっそりと産んでいた子供だと言う噂があっという間に広がった。
それは、紫愛が出来た時期は、ちょうど俺が一度守護神を抜けてしまった時と同時期で、"俺が魔物に唆されておかしくなっていた"と周りに認識してされてしまっているせいでもあった。
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