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最終章(4)雪side
24-4-3
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…………
紫夕へーー。
何も言わずに行こうと思ったけど、「さよなら」を言わない事は、紫夕にとって良くない事だと思いました。
だから、今度はしっかりとお別れと、言葉を残していこうと思います。
紫夕、ありがとう。
紫夕と一緒に居られて、愛してもらえて、オレは本当に幸せでした。
紫夕に出逢えたから、オレは人としての心をこんなにも咲かせる事が出来ました。
母さんを失ったあの日。
引き取られた先で虐待を受けていた日々。
オレには、暗い暗い毎日しか見えなくて、全てが「どうでもいい」と、思っていました。
けど、紫夕が助けてくれて、「その命、俺によこせ」って、「俺が良いって言うまで死ぬな」って言ってくれて……。
きっとあの日から、オレの人としての人生が始まったんだと思うんだ。
紫夕と暮らせて、嬉しかった。
紫夕と仕事が出来て、楽しかった。
紫夕を愛して、愛してもらえて、「どうでもいい」と思っていた毎日が、「失いたくない」毎日に変わりました。
オレの命は紫夕が拾ったものなのに……。約束、守れなくてごめんね。
「一緒に山奥で暮らそう」「誰にも邪魔されない場所で、一緒に生きてくれ!」って言ってくれた事、本当に本当に、嬉しかった。
でも、どうか紫夕の命は、オレ達の愛する紫愛に捧げてあげて?
紫愛になら、紫夕の愛をあげる。
……あ!他の人には、絶対に絶対に!あげちゃダメだよ?(笑)
……。
なんて、ね。冗談。
もしも、この先。紫夕が「この人なら!」って強く想える人が出来たら、いいよ。
きっと紫夕がそう想えた人なら、紫愛の事も……安心して任せられる、って思うから。
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