スノウ2

☆リサーナ☆

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最終章(3)紫夕side

24-3-6

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その笑顔に惹きつけられて、俺の乱れていた心はスッと鎮まっていった。
ゆきが続ける。

「そんなの、無理に……決まってるじゃない。
オレ、魔物スノーフォールになったら理性がなくなって、紫夕しゆうの事を喰べちゃうかも知れないよ?」

「!……ぁ、……」

紫夕しゆうよりも他の魔物に魅力を感じて、その魔物とつがいになっちゃうかも知れないよ?」

「!っ、そ……そんな……っ」

ゆきにそう言われて、俺は「ハッ!」としたり、明らかに「ガーン!」と言う表情をしてしまう。
そしたらゆきは、また、更に嬉しそうに微笑んで……俺に抱きついて言った。

「でも、……っ、嬉しい」

ゆきっ……」

「ありがとう、紫夕しゆう
大好き。本当に、本当に……大好きだよっ」

愛おしい、と言う言葉以外は見つからない感情が胸いっぱいに広がって、涙となって俺の瞳から溢れ出した。

離したら、もう最後ーー……。

避けられない現実を、分かりたくないのに感じていた。
だから、俺はゆきを抱き締めたまま離さなかった。

そしたら、ゆきがまた少し、意地悪そうに……。でも、微笑みながら言った。

「約束、破った罰。
俺に、人の心が残っているうちに……。もう一度、抱いて?」

おかしいな。
そんな気分じゃない筈だったのに、一瞬で、心に熱が灯った。
吸い寄せられるように、俺はゆきと口付け……。次第に、深く、深く、重ねていった。

……
…………。
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