スノウ2

☆リサーナ☆

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最終章(2)紫夕side

24-2-4

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そんな俺とゆきが一緒に居る所を目撃されれば、完全にアウト。森の中の家だって、「マリィの家」って事にして通してるんだ……。

だから、人気のない場所をただ一緒に歩く事しかしてやれない。
おまけに、総指揮官になってからは職場と家の行き来ばかりだから、決まって会話の内容も仕事の話ばかり。

「……っ、て、わりぃ。
仕事のこんな話ばっかりじゃ、つまらねぇよな?」

でも、そう謝る俺にゆきは首を振って笑うんだ。

「ううんっ、嬉しい。仕事の話聞いてると、一緒に働いてた時の事を思い出せるんだ。
オレ、仕事の話をしてる時の紫夕しゆう表情かお、大好きだよ!」

「っ、ゆき……」

「もっと聞きたい!
ねぇ、それからどうなったのっ?」

無邪気に、子供がはしゃぐみたいに、目を輝かせて俺を見上げるゆき
そんなゆきは、今ではもうすっかり傍目はためからは女性に見えるであろう。

ゆきは、紫愛シアの為に髪は長く伸ばし、毎日綺麗にゆわえている。「オレ」を「私」って言うのには抵抗があるのかそのままだけど、「ママ」って呼ばせたり、最近は服装や服の色もなるべく女性に見える物を着ていた。

紫愛シアが成長していく上で、いつか違和感を感じてしまわないようにーー……。

自分の家は普通じゃない、って。
自分の母親がみんなと違う、って思われるのをきっと避けていたんだ。
目の前で着替える事は勿論、お風呂に一緒に入る事もせず、決して紫愛シアに自分の裸を晒す事をゆきはしなかった。
幼い頃の虐待で出来た傷跡を見せたくない事もあるだろうが、1番はやはり性別の事だろう。
少し前、ママと一緒にお風呂に入りたいと駄々を捏ねて愚図ぐず紫愛シアに、「ごめんね」って謝った時のゆきは本当に辛そうで、きっと"自分が母親じゃなかったら……"、とでも思っていそうな雰囲気だった。

そんなゆきに気付きながらも、俺は何て言ってやったらいいのか。どうしてやったらいいのか、分からなかった。
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