506 / 589
最終章(1)雪side
24-1-1
しおりを挟む……
…………
こんな日が来るなんて、思ってなかった。
好きな人と、その人の子供と一緒に、生活出来るなんて……。
母さんが死んじゃって、引き取られた先で虐待されて絶望してたあの頃の自分に言ってやりたい。
死を覚悟して戦った、あの時の自分に言ってやりたい。
自分は何も出来ず、響夜を失って悲しんでいた自分に言ってやりたい。
お前は、とても幸せ者だよ、ってーー。
天使の産声を聴いたあの日。
オレはようやく、自分が何故生まれてきたのか。
生き続けてきたのか、分かった気がしたんだ。
この子に、未来をあげたい。
オレは"幸せ"だった、って、大切な人達に伝えたい。
そして、愛する人にこの想いを遺したい。
"紫夕"、"愛し"てるよーー。
幸せの「幸」の意味も込めて。
紫夕の「紫」と、愛してるの「愛」。
女の子だって、何となく思ってたからオレにはこの名前しか思いつかなかった。
紫愛ーー。
お前は、オレの全てだよ。
……
…………。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる