スノウ2

☆リサーナ☆

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第23章(4)紫夕side

23-4-2

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馬鹿みたいな、プライドだ。
男として、俺は響夜コイツに頼りたくないし、負けたくなかったんだ。
それなのに、響夜きょうやは更に言った。

「親父との決着は、僕がつけます」

「!……なに?」

「親父の事は僕に任せて、紫夕しゆうさんはその間にサク……っ、ゆき達を……」

「ーーふざけんなッ!!」

その言葉には、色んな意味でカッとなった。
何より強かったのは、きっと復讐心。たちばなは俺の親父、三月みづきの仇だ。そう知った瞬間から……。一年前に、親父を魔物化して悪事を働いた時から、俺はアイツだけは自分がブッ潰す、って決めてたんだ。
そこだけは、どうしても他の誰にも譲りたくなかった。自分の手で終わらせたかった。

けど、響夜きょうやは冷静に言いやがった。

紫夕しゆうさんが、親父の事を許せないのは分かります。
けど、どんな悪人であろうと人を斬れば……貴方の心に、永遠に闇が残ってしまう。そんな気持ちで、守護神ガーディアンを……。この世界を変えられますか?」

「!……っ」

鋭い、核心を突いた言葉。
響夜きょうやの言う通りだった、と素直に受け入れられるまでには時間がかかったが、この時に何も言い返せなかった時点で、俺は図星を突かれていたんだ。
俺が感情的になってたちばなをヤッた所で、後から拭う事が出来ない傷を心に負っただろう。
例えどんな意味があっても、どんなに相手がクズであろうと、人の命を奪う、と言う計り知れない重みがある事に変わりはない。
それにどんな理由があろうとも"人の命を奪った奴"に、みんなが疑いもなく付いてきてくれる筈もない。

そんな、俺の事を全て理解した上で、響夜きょうやは言っていたんだ。

負けた、って……思ったよ。
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