スノウ2

☆リサーナ☆

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第22章(1)雪side

22-1-6

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「ありがとう、嬉しい」

素直な言葉と、笑顔が溢れ出していた。

「髪は……また伸ばすよ。だからこれ、貰ってもいい?
ほら、それまではこうしてブレスレットみたいに使わせてもらうから。ねっ?」

オレは髪ゴムを右の手首に着けて、響夜きょうやを見上げながら見せた。
そしたら、最初は驚いたように目を見開いていた響夜きょうやだったけど、ハッとしたように咳払いして「好きにしろ」ってボソッと呟いた。
相変わらずぶっきらぼうだけど、微かに赤い耳元。きっと響夜きょうやに尻尾が生えてたら大きく振っていそうな雰囲気に、オレは笑みが止まらなかった。

すると……。

「ボク、おじゃまです。ひとりでさきにおフロはいってくるです!」

「!!ッ」
「!!っ、や……弥夜やよい君っ?」

その可愛らしい声に、すっかり弥夜やよい君が側にいる事を忘れていた事に気付く。
でも、ハッとして汗汗とするオレ達をよそに、着替えを持った弥夜やよい君はさすが響夜きょうやの息子、と思う程に悪巧みしている笑顔を浮かべて言った。

「おとうさんとゆきさんは、あとでなかよくいっしょにはいっていいですよ~!ごゆっくりです!」

「っ~~~……」
「っ、弥夜やよい!てめぇ、ブッ殺す……!!」

その言葉には、当然な事に響夜きょうやはブチ切れ。けど、追いかけられて弥夜やよい君はすごく嬉しそうだった。

……
…………そんな感じで。
響夜きょうや弥夜やよい君は、そのままバタバタした勢いでお風呂に入って行った。

静かになった食卓を一人で片付けていると、ふと、左手の薬指にはめたままだった銀の指輪が目に止まる。

紫夕しゆうから貰った、大切な大切な……夫婦パートナーの証。

響夜きょうやは、指輪これに対して何も言わない。
「外せ」とも「捨てろ」とも、何も言わないでくれた。
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