スノウ2

☆リサーナ☆

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第21章(5)雪side

21-5-4

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「おしゃべりはおしまいだ。……死ね」

「!!っ、やめてぇぇぇーーー……ッ!!!!!」

万事休す。
風乱ふうらんが振り下ろされる光景に、弥夜やよい君の元へ飛び出そうとした瞬間だった。

ーー……間に合わない!!

そう、分かっていても止まらなかったオレの身体を、力強い腕がガシッ!!と止めた。
そして。それとほぼ同時に、カンッ!!!って金属と金属がぶつかる音がして……。なんと、風乱ふうらんの刃に何かが当たり、弥夜やよい君を切り裂くと思われた刃の軌道がズレた。

……。
たす……かった、……?

自分を包み込む暖かい温もりと。目に映る、弥夜やよい君から風乱ふうらんの刃が外れた光景。……そして。

「お前が飛び出してどうすんだ?ホントに、腹に子供がいる自覚あんのか?」

耳に届く、相変わらずオレを馬鹿にするような……。でも、しっかりと優しさが感じられる声。
目を向けると、黒いロングコートに身を包んだ黒髪に黒い瞳の姿が映って、オレは思わずその名を口にしてた。

「っ、きょう……ッ」

そしたら目が合って……。涙を流しているオレにフッと笑いかけた響夜きょうやは、頭をポンポンッ、ってしてくれると、ゆっくり立ち上がった。

その直後ーー。
オレの目の前から一瞬で消えたと思ったら……。

「ーーよくやった、弥夜やよい。後は任せろ」

次の瞬間、響夜きょうや弥夜やよい君と風磨ふうまさんの間にいた。
響夜きょうやの姿を見て安心したのだろう。弥夜やよい君は微笑んだ後に、床に倒れ込んで気絶した。
すると、

「サクヤ!!弥夜やよいを頼むッ……!!」

響夜きょうやはそう叫ぶと自らの魔器マギである鬼響ききょうの片方を腰から抜いて、風磨ふうまさんに攻撃をしかける。その勢いに押されて風磨ふうまさんが離れたのを確認すると、オレは気絶している弥夜やよい君に駆け寄り、抱き起こしてギュッと胸に抱いた。
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