452 / 589
第21章(5)雪side
21-5-4
しおりを挟む「お喋りはおしまいだ。……死ね」
「!!っ、やめてぇぇぇーーー……ッ!!!!!」
万事休す。
風乱が振り下ろされる光景に、弥夜君の元へ飛び出そうとした瞬間だった。
ーー……間に合わない!!
そう、分かっていても止まらなかったオレの身体を、力強い腕がガシッ!!と止めた。
そして。それとほぼ同時に、カンッ!!!って金属と金属がぶつかる音がして……。なんと、風乱の刃に何かが当たり、弥夜君を切り裂くと思われた刃の軌道がズレた。
……。
たす……かった、……?
自分を包み込む暖かい温もりと。目に映る、弥夜君から風乱の刃が外れた光景。……そして。
「お前が飛び出してどうすんだ?ホントに、腹に子供がいる自覚あんのか?」
耳に届く、相変わらずオレを馬鹿にするような……。でも、しっかりと優しさが感じられる声。
目を向けると、黒いロングコートに身を包んだ黒髪に黒い瞳の姿が映って、オレは思わずその名を口にしてた。
「っ、響……夜ッ」
そしたら目が合って……。涙を流しているオレにフッと笑いかけた響夜は、頭をポンポンッ、ってしてくれると、ゆっくり立ち上がった。
その直後ーー。
オレの目の前から一瞬で消えたと思ったら……。
「ーーよくやった、弥夜。後は任せろ」
次の瞬間、響夜は弥夜君と風磨さんの間にいた。
響夜の姿を見て安心したのだろう。弥夜君は微笑んだ後に、床に倒れ込んで気絶した。
すると、
「サクヤ!!弥夜を頼むッ……!!」
響夜はそう叫ぶと自らの魔器である鬼響の片方を腰から抜いて、風磨さんに攻撃をしかける。その勢いに押されて風磨さんが離れたのを確認すると、オレは気絶している弥夜君に駆け寄り、抱き起こしてギュッと胸に抱いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる