スノウ2

☆リサーナ☆

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第21章(4)雪side

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「ホントですかっ?ゆきさんのおなかに、あかちゃんいるですかっ?
ボク、おにいちゃんになるです!あかちゃんのおにいちゃんになりたいですっ!!」

ピョンピョン飛び跳ねながら「やったぁ!」って喜んでくれてる姿にも、また励まされる。

オレ以外にも、この子の存在を喜んでくれる人がいるんだ、ってーー……。

「ありがとう。
弥夜やよい君がお兄ちゃんになってくれるなら、嬉しいな。いっぱい遊んであげてくれる?」

「はいっ!!」

頭を撫でながらそう言うと、元気に頷いた弥夜やよい君はベッドに上がって来て、オレのお腹に頬を寄せるように抱きついてくる。
その様子を見て、オレは……尋ねた。

「ねぇ、弥夜やよい君。
響夜きょうや……っ、お父さんの事……好き?」

弥夜やよい君の事を見ていると、オレにはやっぱり響夜きょうやが悪い奴には思えなくて……。つい、聞いていた。
その問い掛けに返事が戻ってくるのは、すぐだった。

「はいっ!だいすきですっ!!
おとうさんは、つよくて、あたまもよくて、いろんなことができて……。すごくすごくかっこいいです!!
ボク、おとうさんみたいになるですっ!!」

眩しい程の笑顔をオレに向けて、弥夜やよい君は答えてくれた。
その返事に、話題を振ったのはオレなのに「そっか」って言って、微笑む事しか出来ない。
すると、今度は弥夜やよい君がオレに言う。

「……ゆきさんは?」

「!……え?」

「ゆきさんは、おとうさんのこと……すきですか?」

「っ、……」

その問い掛けに、オレは迷ってしまった。
嫌いじゃ、ない。
けど、分からない。
どう答えていいか迷っていると、そんなオレに弥夜やよい君がまさかの一言を言った。

「おとうさんは、すきですよ」

「……。え?」

「おとうさんは、ゆきさんのことすきですよ!」

「っ、え……?!」

す、好き……?!

その"好き"に、特別な意味なんてある訳ない。
そう、思いながらも、不意を突かれてたオレの顔はだんだんと真っ赤になっていった。
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