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第21章(4)雪side
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しおりを挟む「ホントですかっ?ゆきさんのおなかに、あかちゃんいるですかっ?
ボク、おにいちゃんになるです!あかちゃんのおにいちゃんになりたいですっ!!」
ピョンピョン飛び跳ねながら「やったぁ!」って喜んでくれてる姿にも、また励まされる。
オレ以外にも、この子の存在を喜んでくれる人がいるんだ、ってーー……。
「ありがとう。
弥夜君がお兄ちゃんになってくれるなら、嬉しいな。いっぱい遊んであげてくれる?」
「はいっ!!」
頭を撫でながらそう言うと、元気に頷いた弥夜君はベッドに上がって来て、オレのお腹に頬を寄せるように抱きついてくる。
その様子を見て、オレは……尋ねた。
「ねぇ、弥夜君。
響夜……っ、お父さんの事……好き?」
弥夜君の事を見ていると、オレにはやっぱり響夜が悪い奴には思えなくて……。つい、聞いていた。
その問い掛けに返事が戻ってくるのは、すぐだった。
「はいっ!だいすきですっ!!
おとうさんは、つよくて、あたまもよくて、いろんなことができて……。すごくすごくかっこいいです!!
ボク、おとうさんみたいになるですっ!!」
眩しい程の笑顔をオレに向けて、弥夜君は答えてくれた。
その返事に、話題を振ったのはオレなのに「そっか」って言って、微笑む事しか出来ない。
すると、今度は弥夜君がオレに言う。
「……ゆきさんは?」
「!……え?」
「ゆきさんは、おとうさんのこと……すきですか?」
「っ、……」
その問い掛けに、オレは迷ってしまった。
嫌いじゃ、ない。
けど、分からない。
どう答えていいか迷っていると、そんなオレに弥夜君がまさかの一言を言った。
「おとうさんは、すきですよ」
「……。え?」
「おとうさんは、ゆきさんのことすきですよ!」
「っ、え……?!」
す、好き……?!
その"好き"に、特別な意味なんてある訳ない。
そう、思いながらも、不意を突かれてたオレの顔はだんだんと真っ赤になっていった。
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