スノウ2

☆リサーナ☆

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第21章(3)響夜side

21-3-3

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***

「!……あ!おとうさん!!」

僕が自室に戻ると、勉強机に向かっていた弥夜やよいが「おかえりなさい!」と椅子から降りて、足元に絡み付いてくる。

僕よりも魔物の血が薄い影響か、弥夜やよいは僕程成長能力が早くない。
同年代の普通の人間の子供より、多少しっかりしているだけだ。
だから、か……。4歳になった今でも、母親と言うものに執着があるらしい。甘え癖もある。

「おとうさん?どこいくですか?
……おフロ?おフロにいくですかっ?」

僕が相手にせず上着を脱ぎながら脱衣所の方へ歩みを進めると、トコトコ必死についてくる。
昔は鬱陶うっとおしかったが、どれだけ振り切ろうとしても懲りずについてくるから、僕はもう諦めていた。

「ボクもいっしょしたいです!おとうさんとはいりたいっ!」

「……。着替え持ってこい」

「!……はいっ!!」

何が嬉しいのか。弥夜やよいは僕の言葉に笑顔になると、自分の衣服が収納されているタンスから着替えを取って戻って来て、服を脱ぎ始める。
その様子を見ていて、目が合うと、また弥夜やよいは笑顔になった。

ある意味、弥夜コイツは図太いと思う。

いや、何も考えていないバカなだけか?
一緒に風呂に入っても、もう赤ん坊じゃない弥夜やよいに僕は特に何をしてやる訳じゃない。
弥夜やよいは僕の行動を見て、頭の洗い方や身体の洗い方を見様見真似みようみまねで洗い、一緒に湯船に浸かるだけだ。

「おとうさん!ボクね!このあいだ、あさひせんせーにほめられたの!」

その間、弥夜やよいは会っていなかった時の出来事を一方的に話し続ける。

それは、風呂から上がり身体を拭き、服を着ている時も……。食事の用意をして、食べ始めても、ずっとだ。
会っていない間の話題が尽きても……。

「おとうさんのつくるごはんすきー!」

「嘘つけ」

「ほんとだもんっ!」

ずっと何かしら話してる。
たまに言葉を返すと、また嬉しそうに笑う。
その繰り返しだ。
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