439 / 589
第21章(3)響夜side
21-3-3
しおりを挟む
***
「!……あ!おとうさん!!」
僕が自室に戻ると、勉強机に向かっていた弥夜が「おかえりなさい!」と椅子から降りて、足元に絡み付いてくる。
僕よりも魔物の血が薄い影響か、弥夜は僕程成長能力が早くない。
同年代の普通の人間の子供より、多少しっかりしているだけだ。
だから、か……。4歳になった今でも、母親と言うものに執着があるらしい。甘え癖もある。
「おとうさん?どこいくですか?
……おフロ?おフロにいくですかっ?」
僕が相手にせず上着を脱ぎながら脱衣所の方へ歩みを進めると、トコトコ必死についてくる。
昔は鬱陶しかったが、どれだけ振り切ろうとしても懲りずについてくるから、僕はもう諦めていた。
「ボクもいっしょしたいです!おとうさんとはいりたいっ!」
「……。着替え持ってこい」
「!……はいっ!!」
何が嬉しいのか。弥夜は僕の言葉に笑顔になると、自分の衣服が収納されているタンスから着替えを取って戻って来て、服を脱ぎ始める。
その様子を見ていて、目が合うと、また弥夜は笑顔になった。
ある意味、弥夜は図太いと思う。
いや、何も考えていないバカなだけか?
一緒に風呂に入っても、もう赤ん坊じゃない弥夜に僕は特に何をしてやる訳じゃない。
弥夜は僕の行動を見て、頭の洗い方や身体の洗い方を見様見真似で洗い、一緒に湯船に浸かるだけだ。
「おとうさん!ボクね!このあいだ、あさひせんせーにほめられたの!」
その間、弥夜は会っていなかった時の出来事を一方的に話し続ける。
それは、風呂から上がり身体を拭き、服を着ている時も……。食事の用意をして、食べ始めても、ずっとだ。
会っていない間の話題が尽きても……。
「おとうさんのつくるごはんすきー!」
「嘘つけ」
「ほんとだもんっ!」
ずっと何かしら話してる。
たまに言葉を返すと、また嬉しそうに笑う。
その繰り返しだ。
「!……あ!おとうさん!!」
僕が自室に戻ると、勉強机に向かっていた弥夜が「おかえりなさい!」と椅子から降りて、足元に絡み付いてくる。
僕よりも魔物の血が薄い影響か、弥夜は僕程成長能力が早くない。
同年代の普通の人間の子供より、多少しっかりしているだけだ。
だから、か……。4歳になった今でも、母親と言うものに執着があるらしい。甘え癖もある。
「おとうさん?どこいくですか?
……おフロ?おフロにいくですかっ?」
僕が相手にせず上着を脱ぎながら脱衣所の方へ歩みを進めると、トコトコ必死についてくる。
昔は鬱陶しかったが、どれだけ振り切ろうとしても懲りずについてくるから、僕はもう諦めていた。
「ボクもいっしょしたいです!おとうさんとはいりたいっ!」
「……。着替え持ってこい」
「!……はいっ!!」
何が嬉しいのか。弥夜は僕の言葉に笑顔になると、自分の衣服が収納されているタンスから着替えを取って戻って来て、服を脱ぎ始める。
その様子を見ていて、目が合うと、また弥夜は笑顔になった。
ある意味、弥夜は図太いと思う。
いや、何も考えていないバカなだけか?
一緒に風呂に入っても、もう赤ん坊じゃない弥夜に僕は特に何をしてやる訳じゃない。
弥夜は僕の行動を見て、頭の洗い方や身体の洗い方を見様見真似で洗い、一緒に湯船に浸かるだけだ。
「おとうさん!ボクね!このあいだ、あさひせんせーにほめられたの!」
その間、弥夜は会っていなかった時の出来事を一方的に話し続ける。
それは、風呂から上がり身体を拭き、服を着ている時も……。食事の用意をして、食べ始めても、ずっとだ。
会っていない間の話題が尽きても……。
「おとうさんのつくるごはんすきー!」
「嘘つけ」
「ほんとだもんっ!」
ずっと何かしら話してる。
たまに言葉を返すと、また嬉しそうに笑う。
その繰り返しだ。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる