スノウ2

☆リサーナ☆

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第21章(2)雪side

21-2-5

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……ーー無理。

「そんな訳ねぇだろ?
こっちが相手に何かを望むなら、こっちはその相手が更に望む、相手にとって利益のある条件を呑まなきゃいけないんだよ」

っ、無理……。
無理だよ、そんなの……っ。

「そんなの、今回に限らず物事の基本……」

「ーーそんなのっ、無理だよッ!!」

オレは、膝の上で拳をギュッと握り締めて叫んだ。

「そんなの、無理に決まってるじゃない!
っ、何言ってるの……?!おかしいよっ!!」

目を真っ直ぐ見つめてそう訴える。けど、響夜きょうやはただ、真顔でオレの事をじっと見ていた。

この時オレは、紫夕しゆう以外の人に抱かれるのが無理、とか。相手が響夜きょうやだから無理、って問題を言いたかった訳じゃなかった。
それより先に浮かんだ感情は、

もう自分達のような子供を増やしたくないーー……。

ただ、オレは嫌だったんだ。
そんな風に産まれてきた子供が……。自分の子供が、また橘さん父さんの研究の玩具おもちゃにされる事が……。
だからつい、感情的になって、響夜きょうやと言い合う事になってしまう。

響夜きょうやはそれでいいのっ?弥夜やよい君のお母さんが……っ、奥さんがいるんでしょっ?好きな人がいるんでしょっ?それなのにっ……」

「ーーいねぇよ、そんな奴」

オレの言葉に、響夜きょうやは今までよりも更に強く、冷たい口調で言った。

「ほんっと、おめでたい奴だな。
世の中の全員が、好きな奴と結ばれて、幸せになって、子供作ってると思ってんのか?」

「ハッ」って鼻で笑ってベッドから立ち上がった響夜きょうやは、オレの正面に歩み寄って来ると、冷めた視線で見下ろす。

「親父に言われたからだよ」

「……え?」

「「次の被検体を作れ」……。
親父が命じたから抱いて、作って……。その結果、弥夜アイツが産まれてきただけだ」

淡々とした、声。
響夜きょうやの言葉が、オレには理解出来なかった。
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