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第21章(2)雪side
21-2-1
しおりを挟むあまりに突然起きた衝撃的な展開に、オレは頭の中で必死に状況を整理した。
突如、オレの部屋に入ってきた男の子、やよい君。
自分とよく似た境遇、そして同じ人型魔物であるやよい君を放ってはおけなくて呼び止めた。
一緒に絵本を読んで、お絵描きをしようと思った矢先。響夜が久々にオレの部屋を訪ねて来て、それで……。
お父さんーー。
やよい君は、確かに響夜の事をそう呼んだ。
………つまり。
響夜とやよい君は、親子ーー?
「ーー……っ、ぇえええ~~~?!」
あまりの衝撃的な事実に、オレは自分でも驚く程の声を上げてしまった。
その声にビクッと驚いたやよい君が「ゆきさん?」って不思議そうな表情をしているけど、オレはすぐに反応出来なかった。
響夜に子供。
響夜がお父さん。
想像もしていなかった現実に、ただただ、まじまじと二人を見つめてしまう。
そしたら、「ハァッ」と溜め息を吐いた響夜が、まるで猫の首根っこを掴むようにやよい君を持ち上げた。
「オイ、なに勝手に出歩いてんだよ。部屋で勉強してろ、って言っただろ?弥夜」
「っ、ご……ごめんな、さい。ボク、どうしても……おかあさんに、あいたかった、です」
響夜に叱るように言われて、しゅんとした表情を見せる弥夜君。
その表情を見てハッとしたオレは、とりあえず驚きを抑え込んで声を掛ける。
「い、いいじゃない!少しくらい……。弥夜君だって、部屋でずっと一人で寂しかったんだよ。
ね?弥夜く……」
「お前が口出すんじゃねぇ」
「!っ、……」
でも、響夜の鋭い声と眼光に遮られて、オレは口を噤んだ。
この前は少し優しく感じたのに、今日の響夜はまた少し冷たい雰囲気だった。
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