スノウ2

☆リサーナ☆

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第20章(3)紫夕side

20-3-4

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過去に決着ケリを着けて、今をーー。

今と言う時間を。
これからの未来を。
今生きている、大切な人達と歩きたいんだ。
その為には傷付く事もある、と、覚悟を決めて……。

俺は斬月ざんげつに手を伸ばすと、その柄を握り締めて念じた。
その瞬間。「ずっと待ってた」って、斬月ざんげつに囁かれて……。俺は眩い光に包まれた。

……
…………。

まるで夢を見ているかのように、映像が流れ込んでくる。

そんな俺が最初に見たのは、「ただいま~!」って、いつもの調子で帰宅する少し若い頃の親父の様子だった。
けれど、鍵を開けて中に入った家の中は真っ暗。
不思議に思いながらも、親父は「紫季しき紫季しき、いねぇのか~?」ってお袋の名前を呼びながら捜して、捜して……。部屋の電気を点けた瞬間に、目に飛び込んで来た光景に言葉を失っていた。

なんで?
どうして?
赦せねぇーー……!!

傷付き、怯えるお袋を見て。親父は、怒りと、哀しみと……。何より、護ってやる、と誓ったのに何もしてやれなかった自分を、心の底から責めていた。

そんな親父を見て、俺の胸は、ズキンッと痛んだ。

……
…………

次の光景は、暫く時が経ったのか家が変わっていた。
そこには見覚えがある。守護神ガーディアン本部から少し離れた場所にあった、俺が幼い頃に親父とお袋と暮した家だった。
おそらく、お袋の為に引っ越したのであろう。

「っ、産む……?!
な、何言ってだよッ……紫季しきっ?!」

そんな親父の困惑した声を聞くのは、初めてだった。

やはり当然ながら……。
親父はお袋が俺を産む事に反対だったんだ。
そう、分かっていて、覚悟していた筈だったのに、やはりその様子を目の前にすると、逸らしたくて……。逃げたくて、心と身体が自然と震えていた。

けど、そんな俺を、「大丈夫」って。斬月ざんげつが支えてくれる。
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