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第20章(1)紫夕side
20-1-6
しおりを挟むそんな風に思って、思い出に浸ったところで時が戻る訳ではなかった。
……けど。
"これ"はきっと……。いや、絶対に和希の巡り合わせだった。
酔い覚ましにコテージを出て、特にあてもなく森を散歩していた俺は、町の外れにある墓地へとたどり着いた。
人気のない、静かな場所。
でも。誰もいない、と思ったその場所に、俺は人影を見付けた。
その人は、一つの墓の前に座り込んで、手を合わせてお参りをしていた。
パンチパーマをかけたようなくるくるの金髪に、赤いリボン。
黒いピッタリとしたスキニーズボンに、ピンク色のシャツの上に白いガーディアンを羽織った……。
「ーー……っ、……マリィ?」
「!!ーー……紫夕、ちゃんっ?」
思わずその名を口にすると、顔を向けたマリィも驚きながら俺の名を呼んだ。
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