スノウ2

☆リサーナ☆

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第19章(2)朝日side

19-2-4

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真っ白になるような、何も考えられなくなるような頭の中で、私は気付かされた。

自分がこんなにも、彼女を愛していたのだと言う事にーー……。

恋人になれなくてもいい。結ばれなくてもいい、なんて嘘だった。
私はずっと、彼女とこうしたかった。

例え、命令されたからでも。
例え、彼女が私に対してなんの想いがなくとも。
こんな狂った愛でも、彼女と身体を繋げられて幸せと悦びを感じている自分が居たんだ。
彼女の胎内なかに欲望を放って、自分でいっぱいにして、心の中で囁いた。

紫季しきさん。
貴女の事を、愛していますーー。

守護神ガーディアンに来た初日。右も左も分からなかった自分に、初めて声を掛けてもらったあの日から……ずっと、…………。

ーー……
………………。

そして、その後。
私はたちばなさんの命令で暫く守護神ガーディアンを離れて、他国で勉強する事になった。
あれ以来、女性に興味を持つ事も、性欲が湧く事もなくなった私は、ただひたすらに勉強に打ち込み……。念願の、医者になる事が出来た。

私が再び守護神ガーディアンに戻って来た時、紫季しきさんはすでに仕事を辞めて、結婚して遠くへ行ったと風の噂で聞いた。
今更どうする事も出来ない私は、もう彼女に会う事が出来ない寂しさと同時に、内心ホッとしていた。

けれど、ある時だった。

朝日あさひ のぼる、ってのはアンタだよな?」

そう、声を掛けてきたのは、紫季しきさんの兄である三月みづきさん。
心臓の鼓動が一気に跳ね上がって、「はい」と答える声が心の動揺と共に震えた。
背筋にじんわりと、冷たい汗が滲む。

あの事がバレたのか?
三月みづきさんは、自分が犯人だと言う事を知っているのか?
もしかして、復讐に来たのかーー……?

この後に及んで、そんな感情が浮かんだ私は本当に最低だった。
本当に本当に、私は己の事しか考えていなかったのだ、と思い知る。
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