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第18章(3)雪side
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しおりを挟む「すごいよなぁ、橘さんは……。
僕はね、君のお父さんみたいになりたいんだ」
そう言いながら、風磨さんは片手で自分のネクタイを緩めてシャツの1番上のボタンを外す。
「だからお願いしたんだ。橘さんがサクラさんを自分のものにしたように、僕もどうしても君が欲しかったんだ」
風磨さんの片手が、オレの頬を撫でて……。その後、長く伸びた白髪をサラリと手ですくわれて、そっとそこに口付けを落とされる。
「本当に綺麗だ。良いよ、このロングヘアーもよく似合ってる。
僕と君の子なら、きっと素晴らしい子になる。美しくて、優秀な、貴重な被検体としてね」
貴重な、被検体ーー。
愛のカケラもない、己の欲望が溢れた瞳が、オレを見下ろした。
必死に振り解こうとするけど、振り解けない。
「!っ……や、ぁッ!!」
強引に口付けられそうになって咄嗟に顔を背けるが、そのまま首筋を吸われて、裾を捲り上げられ服の中に忍ばされた風磨さんの手がオレの素肌を撫でる。
思わず声を上げてしまったオレを見て風磨さんが笑った。
「ハハハッ、可愛い声、出せるじゃないか。紫夕の前でも、君はそんな風に鳴いてたの?
いいね、燃えるよ。一緒に、気持ち良くなろう」
どんなに嫌だ、嫌だ、と心が叫んでも、何も出来なかった。
はめられた首輪のせいなのか、魔物の力も全く発動してくれない。
蛇のように絡み付いてくる腕。首筋に触れてくる唇も、舌も、吐息も、全てが気持ち悪い。
感覚も、視覚も、聴覚も、嗅覚も……。オレの全てが拒絶しているのに、振り払う事が出来ない。
「……そんなに嫌がるなよ。
挿入れてみたら、紫夕より良くなるかも知れないよ?」
そう言われて脚に擦り付けられるソレは、まるで風磨さんの欲望を塊にしたように、ズボンの下で固くなっていた。
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