スノウ2

☆リサーナ☆

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第18章(1)雪side

18-1-5

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「こっちに来て、これを着けるんだ」

「……、……それは?」

「言っただろう?魔物スノーフォールの力を使われると厄介だからね。この首輪でその力を制御させてもらう」

魔物スノーフォールの力を抑え込まれてしまったら、オレが風磨ふうまさんに抵抗出来るすべはなくなってしまう。

けど。
あの首輪を着ける事を拒めばハル君とリンちゃんは……、……。

「ーー……分かりました」

オレの答えは、たった一つしかなかった。
オレはゆっくり足を踏み出すと、風磨ふうまさんの近くまで行ってパーカーのフードを取って見上げた。

「貴方の言う通りにします。
だから、二人を解放して下さい」

「……フフッ。
いいねぇ、その潔さ。惚れ直すよ」

舌舐めずりをしながら見下ろされて、ゾクッと震える心。グッと堪えていると、風磨ふうまさんの手によってオレは首輪を着けられる。
ひんやりとした感触の後に、カチンッて音が鳴って……。そしたら、風磨ふうまさんの後ろに居た男達はハル君とリンちゃんから手を放した。
さるぐつわと両手は縛られたままだが、怪我は無さそうだし、足は自由。これで二人は逃げられる。
解放された二人を見てホッと胸を撫で下ろすと、オレの目の前に風磨ふうまさんが手を差し出す。

「さぁ行くよ、花嫁さん。
向こうに車を用意してある」

花嫁さんーー。
その事も、少し斬月ざんげつから聞いている。橘さん父さんに頼んで、オレを貰う、って約束をした事……。
おそらく実験動物としてだろうが、そんなの御免だ。

でも、今拒絶する訳にはいかない。

オレが差し出された手を取ると、風磨ふうまさんは満足気に微笑んだ。

「良い子だ」

振り払いたい感情を抑え込んで、手を引かれながら歩いて行くと、解放されたものの恐怖から腰を抜かしてその場に座り込んでしまっているハル君とリンちゃんとすれ違う形になる。
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