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第16章(4)紫夕side
16-4-6
しおりを挟む優しく接して。
笑顔を向けて。
雪に「無理矢理抱かない」と言葉にして……。必死に必死に、思おうとしてた。
俺は、強姦魔とは違うんだーー……って。
雪が俺に抱いてくれてる愛や想いを、疑ってる訳じゃない。
けど、大好きな親父の息子ではなかった事が、自分の中で大き過ぎて、痛過ぎて……。俺の心を蝕んで、1番大切な存在である雪で全てを埋めて、心を満たそうとしてた。
「っ、……ぅッ」
最後に雪とシた時の事を思い出して自慰すれば、すぐに快感に支配されていき震える。
思わず床に膝を着いた瞬間に、ふと、目に入ったまだ洗濯前の衣類。俺はそのカゴの中から雪が着ていた衣服を引きずり出すと、それを胸に抱きながら……。匂いを嗅ぎながら……。
雪ッ……。
雪……っ、ゆ……き……ッ!!
完全な自己満足に頭の中で雪を抱いて、犯して……果てた。
……
…………
静かだからか、自分の乱れた洗い呼吸が脱衣所に妙に響くような気がした。
真っ白になってた頭の中が次第に正気を取り戻してきて、俺の目に自らが吐き出した欲望を突きつける。
グチャグチャに濡れた右手。洗濯前でも、綺麗好きな雪の衣服に全く汚れなど見当たらなかったのに……。今は、俺の汚い大量の白液に犯されてベタベタだ。
「……はは、……っ。
雪が男で、マジ良かった……」
自分の穢れを目の当たりにして、心の底からそう思った。
以前に雪を抱いた時、俺はつい、何度も何度も避妊なんて考えずに抱いた。直接触れ合える幸せと快楽に負けて、何度も何度も雪の中に……、……。
相手が女性だったら、孕ませていたんじゃないか?って不安や恐怖に陥る程に……。
「っ、気持ちわりぃ……ッ」
こんな穢れた血が、受け継がれて良い筈がない。
自らに嫌悪感覚えて、俺は何度も何度も……。決して落ちる筈のない穢れを落とすように、手を洗った。
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