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第16章(2)雪side
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しおりを挟む……あ。
そっか。紫夕、斬月置いて行ってるんだ。
するとその途中。部屋の片隅に立て掛けられている斬月を見付けて、オレは傍に行くと近くの床に座った。
魔器は魔物から造られた武器だから、魔物の血が入っているオレには斬月と話す事が出来る。
何となく寂しくて、隣に行ってジュースを飲み始めると斬月に話し掛けられた。
「!……え?寝てなくていいのか、って?
うん。今日はね、体調良いんだ。いつもこんな感じだと良いんだけど」
体調を心配されて、オレは返事を返す。
斬月は今は紫夕の魔器だけど、元々は紫夕のお父さんである三月さんの相棒だった魔器。
つまり、年齢は紫夕よりも三月さんよりも上で……。まるで、オレの事を孫のような感じに接してくれる。
「ありがとう、大丈夫だよ?今日は暖かいから、これでも暑いくらい。
でも、そうだよね。油断しちゃ、駄目だよね。
……うん、分かった。ベッドに戻るよ」
薄手の寝巻き姿のオレを気にしてくれて、「大事な時期だから身体を冷やすな」って言われた。
確かに、体調が悪い時は治りかけを1番気をつけなきゃいけないな、って思って、「ベッドに戻って休みなさい」って斬月の言葉に従ってオレはベッドに戻ろうと立ち上がった。
けど、その時。斬月とは明らかに違う声が、オレの耳に届く。
!……誰?
一瞬、何処から聞こえたのか分からなかったが、その声はどうやらこのコテージの外から……。誰かが、この家の外に居る気配がした。
っ、……。
まさか、守護神じゃ……ないよね?
ドクンッと跳ね上がりそうな鼓動を何とか抑え込んで、ジュースの小瓶をテーブルに置いた。
オレは心を落ち着けると、足音を立てないように玄関へ歩みを進めて……。そして、外に繋がる扉の覗き穴から、外の様子を伺う。すると……。
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