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第15章(2)紫夕side
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***
少し考えれば、分かる事だった。
人間と魔物が共存出来る世界を創るなんて馬鹿げてるーー。
この世の中のほとんどの人間がそう思い、中には身内を殺されたりして、絶対に共存なんて有り得ないと言う想いを抱いている、って。
現に俺だって、好きな相手が……。雪が魔物だと知るまで、そんな考えに至らなかったんだから……。
「人間が魔物と仲良く出来たら、争いなんてなくなるのにね!」
もうずいぶん前に、同期で親友の和希がそう言った時。俺だって笑い飛ばしたんだ。
「何バカ言ってんだ!
そんなの絶対に無理だろっ?」……って。
マリィの恋人で、人の悪口とか言わなくて。誰にでも分け隔てなく優しい和希は、争い事が苦手で、いつも平和な考えを俺達に語ってた。
名前の通り、「平和」に「希望」を抱くアイツを、俺は当時、能天気な奴、って思った。
けど、今更になって思う。
和希。
お前が今傍に居てくれたら、きっと誰よりも心強く、支えてくれたんだろうな、って……。
……
…………。
「……そんな訳でさ。
俺は今、人間と魔物が共存出来る世界を創りたい、って思ってんだ!」
引ったくりを捕まえた所から場所を替えて、町にあるカフェ。
俺はテーブルを挟んで正面に座っている杉本に、自分の胸の内を話した。
雪の事やら、まだ深く話せない事もあるが、自分が守護神を抜けた理由。そして、それからの毎日で自分が考え、思った事を伝えたんだ。
杉本の話によると、よく分からないが、何故だか俺が守護神を抜けた事に関して疑いが晴れつつあり、指名手配は今は削除。むしろ、守護神の上からは「見付け次第連れ戻せ!」と、良き方向に話が進んでいるらしい。
雪が守護神に追い詰められ、怪我を負ったあの森の中で、俺の疑いが晴れるような言動をしてくれていた、なんて知らなかったから……。俺は、これが良い機会に繋がると思って、杉本に話した。
少し考えれば、分かる事だった。
人間と魔物が共存出来る世界を創るなんて馬鹿げてるーー。
この世の中のほとんどの人間がそう思い、中には身内を殺されたりして、絶対に共存なんて有り得ないと言う想いを抱いている、って。
現に俺だって、好きな相手が……。雪が魔物だと知るまで、そんな考えに至らなかったんだから……。
「人間が魔物と仲良く出来たら、争いなんてなくなるのにね!」
もうずいぶん前に、同期で親友の和希がそう言った時。俺だって笑い飛ばしたんだ。
「何バカ言ってんだ!
そんなの絶対に無理だろっ?」……って。
マリィの恋人で、人の悪口とか言わなくて。誰にでも分け隔てなく優しい和希は、争い事が苦手で、いつも平和な考えを俺達に語ってた。
名前の通り、「平和」に「希望」を抱くアイツを、俺は当時、能天気な奴、って思った。
けど、今更になって思う。
和希。
お前が今傍に居てくれたら、きっと誰よりも心強く、支えてくれたんだろうな、って……。
……
…………。
「……そんな訳でさ。
俺は今、人間と魔物が共存出来る世界を創りたい、って思ってんだ!」
引ったくりを捕まえた所から場所を替えて、町にあるカフェ。
俺はテーブルを挟んで正面に座っている杉本に、自分の胸の内を話した。
雪の事やら、まだ深く話せない事もあるが、自分が守護神を抜けた理由。そして、それからの毎日で自分が考え、思った事を伝えたんだ。
杉本の話によると、よく分からないが、何故だか俺が守護神を抜けた事に関して疑いが晴れつつあり、指名手配は今は削除。むしろ、守護神の上からは「見付け次第連れ戻せ!」と、良き方向に話が進んでいるらしい。
雪が守護神に追い詰められ、怪我を負ったあの森の中で、俺の疑いが晴れるような言動をしてくれていた、なんて知らなかったから……。俺は、これが良い機会に繋がると思って、杉本に話した。
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