296 / 589
第15章(1)紫夕side
15-1-2
しおりを挟むもっと、色んな魔物の情報を取りてぇな……。
次第に、俺はそんな風に思っていた。
だか、その為には当然、他の魔物を捕えて自分が保護する、と言う事になる。
と、なるとやはり1番は金。
貯金はある方だと思うが、さすがに何種類か面倒見るならそれなりの土地がいるし……。
それに1人じゃ、限界あるよな。
守護神の特殊部隊第1隊長としての稼ぎは、あまり休みがなかったし寮生活だったから貯まる一方でほとんど手付かず。
けど、魔物を管理出来る程の規模の土地購入とは果たしていくらだろうか?
そして、何をやるにも1人じゃ限界があるだろうから、手伝ってくれる誰かの協力がいる。俺の夢を理解してくれて、尚且つ、信用出来る人物。
……、……いや。
そもそも、土地を構えてずっとその場所に指名手配中の俺が留まる事自体が目立つから……無理か。
そんな感じで色々問題が出てきて、前途多難だ。
どうしたもんか?と「うーん」と考え込んでいると、干し肉を食べ終えた雪が「クゥ」と短く鳴いて擦り寄ってくる。
俺がそっと頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めて嬉しそうだ。
大丈夫だ、きっと良い方法が見付かる。
絶対に諦めねぇぞ!
可愛い姿に癒やされる。
愛しい雪の姿を見て、俺は前向きに考えようと思った。
「雪、今日はちょっと町に買い出しに行ってくるな?
なるべく早く帰ってくるから紫雪と一緒に待っててくれ」
俺がそう言うと、雪は返事の代わりに紫雪の元へ行き、仲良くゴロゴロと寝そべってお昼寝タイムに入ったようだ。
また、その可愛らしい姿に励まされて、俺は気を取り直すと、町に向かった。
……
…………。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
発情薬
寺蔵
BL
【完結!漫画もUPしてます】攻めの匂いをかぐだけで発情して動けなくなってしまう受けの話です。
製薬会社で開発された、通称『発情薬』。
業務として治験に選ばれ、投薬を受けた新人社員が、先輩の匂いをかぐだけで発情して動けなくなったりします。
社会人。腹黒30歳×寂しがりわんこ系23歳。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる