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第14章(3)紫夕side
14-3-6
しおりを挟む俺の身体の上に無造作だが掛けられていたのは、雪のお気に入りのブランケット。
それを見たら、雪が腕の中に居た理由も何となく分かる。
きっと、俺を暖めてくれようとして寄り添ってくれた雪を、いつの間にか自分が抱き締めて眠っていたのだ、と……。
……っ、やべぇ。涙、でるっ……。
それは、身勝手だと思っていた俺の行動が、ほんの少しだけど許されたように感じた瞬間だった。
雪が、俺を見てくれたーー……。
敵でもない。食料でもない。
俺を俺として認識してくれた事が、ただ、嬉しかった。
全てが解決した訳ではないが、何だか新たな人生の一歩を踏み出せた気がして、俺は雪を抱き締めた。
……
…………。
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